研究課題/領域番号 |
22K13853
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村中 誠司 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 助教 (90878349)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 疲労感 / 睡眠 / ストレス / 疲労 / テキスト解析 / DRM |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、睡眠の質向上に着目して、うまく疲労と付き合う在り方について検討する。疲れはエネルギーが不足し、休息を要する状態である。疲労の回復には睡眠が有効であるが、睡眠について困りごとを抱えている者は疲労が慢性的に蓄積しやすく、日々の活動が困難となる。一方で、睡眠の改善のためには適度に疲れることを推奨している事実もある。したがって、睡眠を改善するための適度な疲れがどの程度を指すのか具体的な提案が必要であるが、未だ適度な疲れ方は明らかとなっていない。以上を踏まえて本研究では、自ら疲労を活用することで休養を効果的にとり、日常生活をいきいきと送ることができる有効な手段を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度は、質問紙法を用いた疲労の測定方法のひとつであるFatigue Severity Scale (FSS)の日本語版の尺度特性を検証し、より測定性能が改善されやすい測定方法を提案した研究を実施した。この研究では、項目反応理論にもとづくモデルのひとつである、Graded response modelを用いて、推定された回答者の疲労の程度と尺度への反応との関係を可視化し、尺度特性を評価し、より適切な使用方法を提案した。結果から、元は9項目で構成される7件法のFSSを、第3項目以降のみを使用し、6件法で回答を求めることが推奨された。また、職場や学校への精神的なストレスを感じている者は、そうでない者と比較して疲れを感じやすく、また睡眠時間が4時間未満の者はそれ以上の睡眠時間を取っている者よりも疲れを感じやすいことがわかった。本研究課題では、疲労の程度と睡眠の質の関係について検討するが、疲労感は主観的な体験であるため、従来から測定方法やその精度については課題が残っていた。そのため、本研究課題で調査研究を実施するにあたり、より協力者の体験に近い疲労の実態をつかむことができるようになると期待できる。FSSの調査研究は共同研究者により実行済みであり、私は解析と論文の作成を担当した。論文はすでに海外雑誌に投稿済みで、現在査読プロセスの中にある。 今後の展開として、提案する測定方法を適用したFSSを含む、疲労尺度を用いて、本研究課題にある個人特性との関連 (研究1)、日常的な体験との関連 (研究2)それぞれの視点から疲労と睡眠との関連を明らかにしていく。研究1については、すでにオンライン実験と質問紙調査フォームの作成は完了しており、2023年度上半期に調査を開始し、調査終了後速やかに解析の上、研究2の計画の調整を行い、下半期の早い時期に調査を開始する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究課題の計画を進める前に、疲労の測定方法を見直す必要性があったため、その研究を優先したことで遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
すでに解析のための環境は整えているため、データがそろい次第、すぐに解析を開始することができる。 また、pre-resistration等を活用して手続きを透明化するとともに、解析後の投稿までのプロセスを短縮化することで推進を図る。
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