研究課題/領域番号 |
22K13856
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
|
研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
輕部 雄輝 帝京平成大学, 臨床心理学研究科, 講師 (20780480)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 大学生の進路選択 / セルフ・モニタリング / 価値の明確化 / ブリーフ・セラピー / 自己効力 / レジリエンス / キャリア教育 / 心理学的介入 / 教育測定・評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,大学生の進路選択(就職活動)課題に着目し,個人の「就職活動の適応的継続」と「就職後の職場・社会人適応」の双方を促進することを意図した進路選択支援プログラムを確立する。具体的には,就職活動の開始前から,就職活動の継続に伴う心理的プロセスに関する心理教育と,就職活動に臨む自身の職業適性や職業選択基準の検討を促進させる価値の明確化の手続きを援用する。個人のメタ認知的過程を促進しながら,最終的に自己理解のもとに納得を伴った進路選択が行えること,ひいてはその後の社会人適応を長期的に維持することに寄与するプログラムを開発する。
|
研究実績の概要 |
2023年度は,就職活動課題を控えた大学3年生を対象とした進路選択支援プログラムとして,不採用経験の克服過程を踏まえた「就職活動維持過程」の心理教育,個人が人生で大切にしたいことを言語化することを補助する「価値の明確化」,ソリューション・フォーカスト・アプローチとして未来の視点から現在の課題への対処を思考する「ブリーフ・セラピー」の各要素を含んだ内容を選定し,構築した。就職活動が本格的にスタートする3月前後の日程で,就職活動の進展に応じてプログラムを実施した。「価値の明確化」や「ブリーフ・セラピー」の手続きを併せることで長期的な視点からの進路選択を支援するとともに,各回で「就職活動維持過程」に基づく自身の就職活動継続状況のモニタリングの手続きを併せることで自身の現状を踏まえた当面の就職活動における目標を明確にする形で短期的な視点に立った活動の継続そのものの支援も並行した。 加えて,大学1~2年生における進路選択支援の現状について,担当教員やキャリアセンター職員と情報交換を行った。大学として設けている授業科目において自身のキャリアデザインに対する関心を高める取り組みを実施しているが,進路選択行動をその程度行うかについては個人差が大きいことが想定された。文献研究によって,これまでの経験に基づき醸成された自己効力の程度が影響しうると考えられたため,自己効力を高める源(Bandura, 2013)として定められている,実際に行動達成が導かれるプロセスを自身が経験する「直接体験」,他者の成功体験を見本とする「代理経験」,他者から自身が成功に至ると思えるような説明を受ける「言語的説得」,生理的情動的体験をする「情緒的喚起」等の体験を重ねることが肝要であると考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究課題開始当初から続く新型コロナウィルス感染症の流行に伴う研究協力者のリクルーティングの停滞の影響を受けて、進捗が遅れている。さらには、個別対面で実施する予定であった当初のプログラム形態では、参加者の参加のしにくさにつながっていることが想定された。加えて、国際情勢不安の影響もあって海外の書籍や文献の入手に時間を要し、プログラム内容の精緻化の作業においても停滞が余儀なくされたことが挙げられる。
|
今後の研究の推進方策 |
以降は、研究プログラムの実施方法や実施時期を精査し、参加者の負担がなるべく少なくなるような形態での実施を検討する。方法面では、従来的に実施されている大学でのキャリアデザイン系の科目の構成を参考にしながら、集団でのプログラム実施についても視野に入れる。時期の面では、基本的には進路選択課題が本格的に意識され始める大学3年生の時期の実施を中心にすえつつ、統制変数として自己効力の程度を導入し、プログラム以前の経験から得られた要因にも配慮した形での検討を実施する予定である。
|