研究課題/領域番号 |
22K13857
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
伏島 あゆみ 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 准教授 (30782099)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 強みの活用 / 自殺予防 / 若年者 / 縦断的調査 / 介入研究 / 強み |
研究開始時の研究の概要 |
他者とのかかわりから生じる感情は,自殺のリスクに影響する。近年,好奇心や親切といった「強み(character strengths)」の活用により,自殺リスクが低下することが示されつつある。一方,強みは常にポジティブに作用しない可能性も指摘される。 本研究では「強みの種類と活用する状況」に着目し,強みの活用が他者関係を介して自殺予防に寄与する要因を明らかにする。質問紙調査によって,強みの種類や活用する場面と自殺関連変数との関連性を検討する。この結果に基づき,良好な他者関係を形成するように強みを活用する介入研究を行う。これより,強みの活用というポジティブな特性の促進による自殺予防効果を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では「強みの活用は若者の自殺予防に役立つのか?」に着目した。強みの活用が自殺念慮に影響するかを明らかにするため,4か月間隔の縦断的な質問紙調査を行った。強み(特に親切や感謝などの他者のために使われる強み)の活用が自殺念慮の低下と関連することが示された。 次に他者のために強みの活用を行うことが,自殺リスクを低減させるかを明らかにするため,介入研究を行った。2週間,他者のために強みを活用し,記録したグループでは自殺念慮が下がった。ただし,生活習慣を記録した別のグループでも自殺念慮が下がったため,強みの活用が自殺予防に効果があるかは十分に明確でなく,自殺予防効果の更なる検討が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
強みは誰もが持つポジティブな心理的特性であるが,強みの活用を自殺予防に利用する取り組みは少なく,自殺予防にもたらす効果は十分に実証されていなかった。本研究では,強みを生かすこと,特に他者のために生かすことが自殺予防に対して効果を持つ可能性を,部分的に実証することができた。これらの知見は,自殺念慮のある若者に向けたセルフケア方法として,そして自殺予防に関わる支援者に向けた支援方略として,新たな選択肢を提案できたと考える。
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