研究課題/領域番号 |
22K13868
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
立花 良 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (30866398)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | VR / 視聴覚 / 正確性と精度 / 方法論 / コミュニケーション / VR知覚認知 / VRコミュニケーション / 社会的注意 / 心理学 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、VRとアバターによるコミュニケーション技術が急速に普及している。コミュニケーションには他者情報を処理する社会的注意という人類共通の認知処理機能が不可欠である。しかしVRにおける社会的注意の視聴覚情報処理プロセスは未解明であり、現実と比べどのような差があるか不明確な学術課題がある。またこれにより、VRコミュニケーション環境の社会実装が世界的に遅れている社会問題がある。よって本研究ではVRコミュニケーションで生じる社会的注意の視聴覚情報処理プロセスを心理学的に解明する。これによりVRと現実における処理プロセスの差を定量化し、心理学的定義を国際的に初めて確立できる学術的意義がある。
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研究実績の概要 |
本研究は初年度で研究目的①VRにおける視覚処理とコミュニケーションに関する検討があり、研究期間である2022年から2023年では継続していた新型コロナウイルス感染拡大の影響および研究代表者の所属異動が年度内に生じたことから、VRコミュニケーション心理実験が遅れているが、研究①および次年度以降行う予定である研究目的②③VRにおける聴覚および視聴覚処理とその方法論研究に関して、予想以上の研究成果が得られた。また、VR心理学実験専用の実験刺激および制御環境の構築、についても予想以上の研究成果が得られている。研究成果は当該分野の一流国際学術誌Behavior Research Methods (IF 6.2, 5YearIF 7.0, Journal Rank Q1) に1件、採択されている。本研究課題の領域である実験心理学におけるJournal Rankでは世界4位 (148本中)、VRも含む心理学および情報科学におけるJournal Rankでは世界1位 (13本中) である。また、当該研究領域における学術誌である基礎心理学研究に招待解説論文1件、VRなど画像研究を専門に扱う画像ラボに技術解説1件、も採択されている。さらに学会発表3件 (査読あり1件、査読なし1件) の研究成果に加えて、関連するVR研究に関して民間財団からの研究助成採択も1件あげることができ、学術論文・学術発表・民間との産業研究など、広く成果をあげることができている。VRリアルタイム通信技術やVRコミュニケーション心理学実験において考慮すべき遅延時間などの科学的指標値やその研究手法を国際的に提供できた重要性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究概要に記載したように、継続して起きていた新型コロナウイルス感染拡大の影響、およびそれに伴い所属研究機関において行動指針BCPレベル1による制限があったこと、さらに研究代表者の所属機関異動が生じたこと、で当初の研究計画にやや遅れが生じている。 研究概要で記載したように、コロナウイルスを考慮する必要性から、対面かつ不特定多数の実験参加者を募り実施する心理学実験が予想よりも困難だったため、VR心理学実験には遅れがで出ているが、研究計画の一端である方法論研究では当初の予定以上の研究成果を出すことをすでに達成しており、今後の心理学実験を円滑に実施できる進捗状況である。 先述の通り、研究代表者が現在の所属機関での任期切れに伴い、就職活動で大幅に研究活動以外での時間制約が生じたことや、現在の所属機関への採用に伴う異動などで、一時的に研究活動遂行に支障が出たことから、心理実験には遅れが出ている。そのため、異動が一通り完了し、研究環境が揃い次第、順次実験を実施ていく。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進方策として、研究進捗状況で述べたように、やや遅れが生じているVR心理学実験による研究を実施し遅れをとい戻すことに加えて、当初の計画通り、聴覚および視聴覚処理におけるVR研究を実施することである。 遅れが生じているVR心理実験に関しては、研究機関異動で生じた研究環境の整備が終わり次第、順次実施していくことで、遅れを解消していく。 また、当初の研究計画である聴覚および視聴覚処理におけるVR研究は、研究成果概要で述べたように、それらを高精度で円滑に検討できる実験環境および研究手法が整ったため、これらを利用し、予定通り実施していく。
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