研究課題/領域番号 |
22K13876
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 東京大学 (2023) 早稲田大学 (2022) |
研究代表者 |
高尾 沙希 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員 (40879996)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 動的提示 / 静的提示 / 文脈効果 / 時間窓 / 視覚情報統合時間 / 錯視 / 視知覚 / 大きさ知覚 / 実験心理学 |
研究開始時の研究の概要 |
二つの中心の円は物理的に同じ大きさにもかかわらず、小さい円に囲まれている円は大きい円に囲まれている円よりも大きく知覚される。この現象はエビングハウス錯視と呼ばれているが、周辺の円の大きさと刺激全体の位置を連続的に変化させると従来の2倍以上の錯視量に増大することがわかっている。本研究では研究代表者がすでに明らかにしているエビングハウス錯視とその他の錯視の動的提示における錯視量の変調の違いに注目し、その機序を明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では古典的な静的提示と比較して、動的提示による錯視量の増加がどのように生じるのか明らかにするため、2年目となる2023年度は下記の研究を行った。これらの研究で得られた成果は、国際共同研究として国内学会1件、国際学会2件での発表を行い、現在は査読付国際誌への投稿準備中である。 (1)刺激全体が運動しながら大きさが変化するエビングハウス錯視(ダイナミック・エビングハウス錯視)において、動的提示による奥行き知覚による影響を検討した。その結果、大小の円に囲まれている刺激間の奥行きをより大きく知覚する参加者は、動的提示時の錯視量がより大きくなることが明らかとなった。つまり、動的提示による錯視量の増加には、動的提示時に知覚される奥行き情報が影響している可能性が考えられる。 (2)位置によって異なる奥行きが知覚される廊下錯視と静的提示時のエビングハウス錯視を同時に提示した場合の錯視量を測定した。実験の結果、それぞれ単独での錯視量を加算したものと同程度であると同時に、動的提示時のエビングハウス錯視の錯視量とも同程度になることがわかった。引き続き追加での検討は必要なものの、動的提示による錯視量の増加は複数の錯視の加算で説明できる可能性が示された。また、新たな知見として複数の錯視を同時に提示することで、錯視量の加算が可能であるということを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的に対して複数の実験を行い、動的提示による錯視量の増加が生じる要因の特定に繋がる示唆を得ることができた。得られた研究成果は国際共同研究として3件の学会発表を行なっていることからも概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
いくつか追加の検討が必要な点について、実験を行い、結論がまとまった時点で成果発表や査読付国際誌への投稿を行う。
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