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明度錯視の整理と明度知覚モデルの評価

研究課題

研究課題/領域番号 22K13878
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分10040:実験心理学関連
研究機関立命館大学

研究代表者

小林 勇輝  立命館大学, OIC総合研究機構, プロジェクト研究員 (60885747)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード知覚心理学 / 錯視 / 明度 / 心理物理学
研究開始時の研究の概要

これまでに,数多くの明度錯視が発見・報告され,それらを統一的に説明することを目指していくつかの明度知覚モデルが提案されてきた。すべての錯視を説明できるモデルは未だ確立されていないものの,既存モデルの評価と洗練はより優れたモデルへ迫るために極めて重要である。本研究は,これまでに報告されてきた明度錯視について,錯視量の相関を用いた分析を行い,明度錯視の分類・整理を行う。この結果を用いて,これまでに提案されてきたモデルのより適切な評価法を提案し,優れたモデルの構築への足掛かりとする。

研究実績の概要

本研究は,錯視量の相関をもとにした明度錯視の関係の可視化と,その結果を用いた既存モデルの評価を主な目的としている。2023年度は、2022年度に行ったパイロット実験のデータをもとに、本実験で用いる実験刺激の選定や測定・分析方法の検討を行ったうえで、2件の本実験を実施した。ともに数百名程度の参加者を対象とした、比較的大規模なオンライン実験であった。これらの実験データから得られた明度錯視の分類結果は、古典的な研究による理論的分類に概ね整合しており、本研究パラダイムの正当性が確証された。また、そのうえで、対比効果と同化効果の独立性など、新たに明度錯視の生起メカニズムに関して多くの考察を得ることができた。
さらには、この結果をもとに、既存モデルの再評価を行った。これまでのモデル評価は、一つ一つの錯視を独立と仮定したものであったが、本研究のデータを用いることで、その仮定を除いた形でのより精緻なモデル評価が可能となる。2つの実験の結果をもとにして改めて既存のモデルを評価し、それらの性能のより精緻なスコア化と、複数次元での比較を実現した。その結果からは、錯視の独立性は想定されるよりも高いことや、モデルの性能には大きな偏りがあることが明らかとなった。これらは今後新たなモデルを構築していく上で極めて有用な情報であり、旧来の方法では明らかにできなかった知見である。
これらの成果はすでに論文化を進めており、2024年度の公開を目指している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた実験を計画通り進めることができ、かつ予想に概ね沿った結果を得ることができた。2023年度中にモデル評価まで進めることができ、本成果の論文化も予定通り進行している。

今後の研究の推進方策

2023年度の成果を学会・論文において発表していく。また、この結果をもとにした新たなモデルや、さらに優れたモデル評価方法を検討する。2024年度は、より自然な環境に近い画像を用いて、人間とモデルの明度知覚を比較していく予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] アメリカン大学(米国)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [国際共同研究] アメリカン大学(米国)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 明度錯視を説明するモデルと今後の展開2023

    • 著者名/発表者名
      小林勇輝・北岡明佳
    • 雑誌名

      心理学評論

      巻: 66 ページ: 131-149

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Vertical anisotropy in lightness perception not caused by lighting assumption2023

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi, Y. & Morikawa, K.
    • 雑誌名

      Vision Research

      巻: 206 ページ: 1-10

    • DOI

      10.1016/j.visres.2023.108193

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Simple assumptions to improve Markov illuminance and reflectance2022

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi, Y., & Kitaoka, A.
    • 雑誌名

      Frontiers in Psychology

      巻: 13 ページ: 1-12

    • DOI

      10.3389/fpsyg.2022.915672

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The relationship of lightness illusions uncovered by individual differences and its advantage in model evaluation2024

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi, Y., & Shapiro, A.
    • 学会等名
      Vision Sciences Society 2024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Free and fast implementations of a novel lightness computational model.2023

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi, Y., Kanamaru, M., & Kitaoka, A.
    • 学会等名
      Vision Sciences Society 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Modifications to Markov illuminance and reflectance improve its performance2022

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi, Y., & Kitaoka, A.
    • 学会等名
      Vision Sciences Society
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] マルコフ確率場を用いた明度知覚モデルを改良する -単純な仮定による明度錯視予測性能の向上-2022

    • 著者名/発表者名
      小林勇輝・北岡明佳
    • 学会等名
      日本基礎心理学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 個人作成のウェブページ

    • URL

      https://sites.google.com/site/ykobayashiwp/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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