研究課題/領域番号 |
22K13887
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋詰 健太 京都大学, スーパーグローバルコース数学系ユニット, 特定助教 (40934211)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 一般化された対数的標準対 / 極小モデル理論 / 飯高ファイブレーションの有効性 / 有効的固定点自由化定理 / 飯高ファイブレーション / 対数的標準対 |
研究開始時の研究の概要 |
極小モデル理論は対数的標準対の枠組みで議論でき、現在までの研究により、対数的標準対の極小モデル理論は応用可能な段階にまで発展していると考えている。本研究では、引き続き極小モデル理論の完成を目指しつつも、極小モデル理論を双有理幾何学の他のテーマに応用していく。LC-自明ファイブレーションにおける標準束公式の研究と飯高ファイブレーションの有効性について研究していく。
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研究実績の概要 |
今年度の研究の主な成果は、ネフかつ対数的巨大な因子で偏極化された対数的標準対の理論の構築である。ネフ因子で偏極化された対数的標準対は「一般化された対数的標準対」と呼ばれる対象の特別な場合と見なすことができる。「一般化された対数的標準対」はBirkar、Zhangによって導入された対象で、対数的標準対よりも広い枠組みである。一般的に対数的標準対よりも広い枠組みでは双有理幾何学の結果は成り立たないことが多いが、現在の双有理幾何学の議論において不可欠な存在である。「一般化された対数的標準対」は元々、飯高ファイブレーションの有効性と呼ばれる性質を研究するための道具であり、今年度の研究の主結果の1つも飯高ファイブレーションの有効性である。 まず、ネフかつ対数的巨大な因子で偏極化された対数的標準対の極小モデル理論を構築した。この結果の応用として、ネフかつ対数的巨大な因子で偏極化された因子的対数的端末対の飯高ファイブレーションの有効性を示した。さらに、complementと呼ばれる対象の有界性、対数的標準環の有効的有限生成性、有効的固定点自由化定理など、種々の不変量の有限性を示した。 また、一定の仮定の下でのLC-自明ファイブレーションにおいて、底空間の因子のカルティエ指数が全空間の対数的標準因子のカルティエ指数に依存していることも示した。この結果の応用として、一般的な対数的標準対に関する部分的な有効的固定点自由化定理を示した。固定点自由化定理は、対数的一般型の場合はKollar氏や藤野氏によって知られているが、今回の結果はそれらの結果の一般化にもなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終目標はLC-自明ファイブレーションにおける標準束公式の確立であり、ネフかつ対数的巨大な因子で偏極化された対数的標準対はそのための研究対象であったが、標準束公式は完成できなかった。その代わり、ネフかつ対数的巨大な因子で偏極化された対数的標準対の理論は十分発展させることができ、さらに有効的固定点自由化定理についての結果も得ることができた。とくに後者は今後の応用が期待できる結果であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、LC-自明ファイブレーションにおける標準束公式の完成を目指す。また、今回得られた不変量の種々の有限性の双有理幾何学への応用を模索していく。
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