研究課題/領域番号 |
22K13888
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 勇哉 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教 (20780034)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 極小モデル理論 / ACC予想 / LSC予想 / PIA予想 / 特異点 / 極小ログ食い違い係数 / MLD |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的はフリップの停止問題の解決を目標に据え、関連する様々な問題に、特異点理論からアプローチすることである。フリップの停止問題は極小モデル理論において重要な未解決問題の一つである。フリップの停止問題は特異点の問題である2つの予想(ACC予想とLSC予想)から従うことがShokurovにより証明されている。本研究ではACC予想とLSC予想の解決を目指す中で、特異点不変量に関する理解や、特異点解消との関係性についても理解することを目指している。
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研究実績の概要 |
今年度は、昨年度に引き続き、商特異点の極小ログ食い違い係数について研究した。超商特異点とは超曲面特異点の有限商となっているような特異点のクラスである。極小ログ食い違い係数に関する予想としてLSC(lower semi-continuity)予想とPIA(precise inversion of adjunction)予想があり、極小ログ食い違い係数を研究するモチベーションとなっている。
昨年度までの研究において、群作用が線形である場合に、PIA予想とLSC予想の成立を証明した。また、さらにそれを群作用が線形と限らない場合に証明している。いずれの場合も、超曲面の定義多項式が、群作用で不変な場合を扱っていた。本年度は、柴田康介氏との共同研究により、超曲面の定義多項式が群作用で不変とは限らない場合(semi-invariantの場合)を研究し、その場合のPIA予想とLSC予想の成立を証明した。このカテゴリーは、3次元端末的特異点を含んでいるため、より自然なクラスであり、応用も期待できる。また、Cartierとは限らないWeil因子へのPIA予想を証明した初めてのカテゴリーである点でも重要だと考えている。
昨年度までの研究と同様に、証明には弧空間の理論を用いている。今回の新しい点は、semi-invariantな元を扱うために、新しい不変量を導入している。この不変量が、極小ログ食い違い係数を弧空間で表示する際に重要となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、超曲面特異点の有限商となっているような特異点のクラスを扱っている。昨年度までに、一番重要なinvariantケースについて理論を完成させた。今年度は、残っていたsemi-invariantケースについて理論を完成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
超曲面特異点に限らない一般の商多様体について、弧空間の理論を発展させることを目標としている。
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