研究課題/領域番号 |
22K13894
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松井 紘樹 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (50943536)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 代数多様体 / 完全導来圏 / 三角圏 / スペクトラム / 可換環 / スキーム / 導来圏 / Frobenius押し出し関手 / 可換環論 / 特異圏 |
研究開始時の研究の概要 |
与えられた可換環の性質とそれに付随する特異圏の性質の関係を明らかにすることは可換環の表現論における重要な問題の一つである.特異圏は代数幾何学や多元環の表現論など様々な分野において現れる重要な研究対象であり,その名の通り可換環の特異点の性質をよく反映する三角圏であると考えられているため,特異圏を用いて特異点の性質を特徴づけを与えることは自然な問題である.本研究では代表者の導入した三角圏のスペクトラムの概念を通してこの問題に取り組む.
|
研究実績の概要 |
代表者が定義した三角圏のスペクトラムについて研究を進めた.具体的にはカリフォルニア大学バークレー校の伊藤大悟氏との共同研究で準射影多様体の完全導来圏のBalmerスペクトラムが三角圏のスペクトラムの開部分集合となることを証明した.代表者による2023年の結果と合わせることでBalmerスペクトラムが三角圏のスペクトラムの開部分環付き空間となることが示される.この結果の応用として,Bondal-Orlov, Ballardによる復元定理の三角圏のスペクトラムを用いた別証明を与えた.さらに類似の復元定理を準アファイン多様体に対しても証明した.こちらはFaveroによる結果を改良するものである. 滑らかな射影多様体Xの完全導来圏のスペクトラムにはXのFourier-向井対が全て埋め込まれるが,伊藤氏によりこれらが貼り合わされ,Fourier-向井軌跡と呼ばれる滑らかなスキームを定めることが示されている.本研究によりXのFourier-向井対が三角圏のスペクトラムの中に開部分環付き空間として埋め込まれることから,Fourier-向井軌跡が三角圏のスペクトラムの開部分環付き空間となることも示された. 本内容は現在論文執筆中である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究で示された準射影多様体の完全導来圏のBalmerスペクトラムが三角圏のスペクトラムの開部分集合という重要な事実により今後の研究の大きな進展が望めるため.
|
今後の研究の推進方策 |
今年度までの研究で三角圏のスペクトラムを用いることでBondal-Orlov, Ballard, Faveroといった既知の結果を再証明することができることが分かった.今後はFourier-向井軌跡を用いてさらなる代数多様体のスペクトラムの研究を行っていく.
|