研究課題/領域番号 |
22K13921
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
谷口 正樹 国立研究開発法人理化学研究所, 数理創造プログラム, 基礎科学特別研究員 (30880520)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | Thurston-Bennequin不等式 / Floer homotopy / transverse knot / Thurston-Bennequin数 / symplectic surface / contact invariant / transverse invariant / Yang-Millsゲージ理論 / Seiberg-Witten理論 / 開4次元多様体に対するゲージ理論 / コンタクト3次元多様体 / Floerホモトピー型 |
研究開始時の研究の概要 |
4次元多様体に対するゲージ理論は, 4次元多様体の微分構造・シンプテクティック構造の研究において強力な手法を与える. 本研究では, 2つの理論: 「ASD(anti-self-dual)方程式を用いるYang-Mills(以下YM)理論」 「Seiberg-Witten(以下SW)方程式を用いるSW理論」を扱う. この研究は, 被覆空間・幾何構造に付随する非コンパクトな4次元多様体に対してゲージ理論を展開するものである. また, これを用いて低次元トポロジー・シンプテクティックトポロジーに応用することを目標とする.
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研究実績の概要 |
この研究は, 被覆空間・幾何構造に付随する非コンパクトな4次元多様体に対してゲージ理論を展開するものであり, さらに, これを用いて低次元トポロジー・シンプテクティックトポロジーに応用することを目標としていた. 今年度は, 主にコンタクト構造に付随する非コンパクト4次元多様体に対するSeiberg-Witten理論の展開に関する研究を行なった. 一つの成果として, 「A note on generalized Thurston-Bennequin inequalities」というタイトルの論文を飯田暢生氏, 今野北斗氏と書き, 雑誌「International Journal of Mathematics」に投稿し, アクセプトされた. この論文では, S^3を境界に持つ滑らかな 4次元多様体に埋め込まれた境界付き曲面に対するThurston-Bennequin型のadjunction inequalityを証明した. adjunction inequalityは4次元トポロジーにおいて重要な対象の一つであり, これを用いてエキゾチックな微分構造の発見を多くなされてきた. また, 我々の手法は, 曲面の自己交差が負の場合の境界付き曲面に対しても適応可能であり, また, 曲面の境界がS^3内のlinkになっている場合にも適応可能である. また, 今年度は, 飯田暢生氏と議論を行い, S^3内の(標準的なコンタクト構造に対する)transverse knotに対して, Seiberg-Witten Floer homotopy理論を用いて不変量を構成した. また, この不変量の非消滅定理を示し, これをsymplectic surfaceの存在性に応用した. この結果については現在論文執筆中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
上記の通り, 「A note on generalized Thurston-Bennequin inequalities」というタイトルの論文を飯田暢生氏, 今野北斗氏と書き, 雑誌「International Journal of Mathematics」に投稿し, アクセプトされた. これは当初予定していた, コンタクト構造に対するSeiberg-Witten理論とその展開に関する進展である. また, 飯田暢生氏と構成したS^3内の(標準的なコンタクト構造に対する)transverse knotに対する不変量は, その構成自体に新規性があり, これからのこの不変量の応用が期待されるものである.
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今後の研究の推進方策 |
飯田暢生氏と構成したS^3内の(標準的なコンタクト構造に対する)transverse knotに対する不変量の計算, その性質を今後調べていくことを考えている. 特にtransverse knotの不変量において重要であると思われる, 自然性の証明を試みる. これは, transrvese knotをつなぐsymplectic surface cobordismで繋がれている時に, そのcobordismから誘導されるFloer homotopyの射がtransverse knotに対する不変量同士を対応させる, というものである. この主張は, コンタクト3次元多様体に対しても同様の予想があり, 飯田暢生氏と過去に構成したFloer homotopyコンタクト不変量に対しても未解決である. よって, まずFloer homotopyコンタクト不変量の自然性の証明を書き下し, その後, その変種としてtransverse knotに対する不変量の自然性を示す, という流れを考えている. 自然性の帰結として様々なコンタクト不変量, transverse knotに対する不変量の性質が導かれるため, その応用も適宜考察していく予定である.
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