研究課題/領域番号 |
22K13942
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 島根大学 (2023) 大阪公立大学 (2022) |
研究代表者 |
藤本 皓大 島根大学, 学術研究院理工学系, 講師 (00875065)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | p(t)-Laplacian / 解の振動 / 解の漸近挙動 / extremal solution / 微分方程式 / p(t)ラプラシアン / 解の大域存在性 / 解の振動問題 |
研究開始時の研究の概要 |
変動指数を持つ微分作用素であるp(t)ラプラシアンは、画像処理、電気粘性流体、弾性力学など幅広い分野で数理モデルとして利用されている。しかしながら、指数p(t)がtに依存するという特異性により、その基礎理論はほとんど得られていない。したがって、p(t)ラプラシアンを持つ常微分方程式の数学解析に関する理論的体系を整え、その豊かな解構造を解明することは急務である。本研究では、p(t)ラプラシアンを持つ常微分方程式に対する基礎理論を構築し、解の漸近挙動を考察する。さらに、プロトタイプとの類似点・相違点を明らかにすることにより、変動指数による影響を考察する。
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研究実績の概要 |
本年度は、p(t)-Laplacian を持つ常微分方程式の解の振動性と漸近挙動に関する研究および proper な解の存在性に関する研究に取り組み、以下の成果を得た。 (1) 変動指数を持つ準線形常微分方程式に対して、非振動解(正値解)を解自身の極限とそのある種の導関数の極限によって3つに分類した。そして、この各解が存在するための十分条件を、Schauder-Tychonoff の不動点定理を利用し、係数を含む積分を用いた関係式で与えた。特に、最も速く発散するような解と有界な解の2種類の解に対しては、それらが存在するための必要十分条件を導いた。この結果について学術論文として投稿し、掲載された。 (2) p(t)-Laplacian を持つ常微分方程式に対して、すでに得られている結果を拡張・改善することにより、新たに Leighton-Wintner 型の振動定理を構築した。この結果は、p(t) に単調性を仮定する必要がなく、従来よりも一般の場合に対して適用することができる。また、ある種の比較定理を与えたことにより、非主要部により一般の関数を用いた場合に対しても適用できる結果となっている。また、本研究では、方程式の proper な解が存在するための十分条件も与えた。加えて、得られた結果を応用し、準線形偏微分方程式の球対称解が振動するための十分条件を導いた。この結果についても学術論文として投稿し、掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に記載の通り、p(t)-Laplacian を持つ常微分方程式に対して、解の基礎理論の構築に基づく振動現象の解明が進み、研究は順調に進展していると言える。特に、すでに得られた定理を改善するとともに、新たな解の分類と存在定理を示した。 以上より、p(t)-Laplacian を持つ常微分方程式の基礎理論と解の漸近挙動についての研究は、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、p(t)-Laplacian を持つ常微分方程式の基礎理論と解の漸近挙動についての研究を進める。特に、p(t)-Laplacian を持つ常微分方程式に対して、解の振動に関する比較定理を証明するとともに、解の発散のオーダーに関する研究を行う。
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