研究課題/領域番号 |
22K13943
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
濱本 直樹 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 特任助教 (40880670)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 関数不等式 / 最良定数 / ベクトル場 / ソレノイダル条件 / CKN不等式 / ソレノイダル場 / 渦無し場 / Hardy不等式 / 不確定性原理不等式 / CKN型不等式 / 制約条件 / 定曲率空間 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、物理学の不確定性原理と密接に関連する関数不等式を研究対象とする。とくにベクトル場を未知関数として、渦度や発散度などへの制約に応じて最良定数の値がどのように変更されるのかを問題にする。さらに、空間全体が曲率を持つ場合をも取り入れることで、不等式の多様な最良構造を明らかにしていきたい。新しい発見につながるヒントを得るために、研究集会に積極的に参加して情報収集していく予定であるが、その際の現地参加に伴う旅費として科研費の使用を予定している。また、不等式の最良定数の計算では、主にパソコン及び数式処理ソフトが数学研究用の「実験器具」として有力であるため、機材の科研費による購入を予定している。
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研究実績の概要 |
Caffarelli-Kohn-Nirenberg型不等式もしくはそれに関連した不等式の制約条件付きベクトル場に対する最良性についての研究を継続中である。 以前までとは異なる新しい視点として、Euclid全空間のみならず、その部分領域にゼロでないベクトル値を持つ関数クラスや曲率を持つ空間に住む関数など、テスト関数の「定義域の変形」による最良定数の計算にも着目し始めている。とくに球体内に局在するソレノイダル場に対するPoincare不等式の最良定数を正確な値まで計算し、その結果を9月度の日本数学会で発表した。また、半平面上での2次元Hardy不等式の最良定数についても計算を試みた。正確な値までは現時点で判明していないが、制約条件が無い場合の最良値を上回ることが判明し、その内容を2024年3月度の日本数学会で発表した。今後は最良定数のより正確な値の計算を進めていく予定である。 一方で、全空間上のソレノイダル場に対する冪乗型重み付きHardy-Leray不等式の最良定数をすべての次元及びすべての重み指数について計算した論文が数学雑誌J. Funct. Anal.に掲載受理された。この結果は先行研究でCostin-Maz’yaが計算した定数と値が一致するものであるが、表示がより簡明な形にできるという新事実が含まれ、最良値の達成関数の非存在まで解明された内容となっている。 その他の研究活動として、大阪公立大学数学研究所の共同利用・共同研究を拠点とする研究集会「関数不等式に関連した最小化問題について」 の企画及び運営を担当し、講演者を招待するため遠方のセミナー等に直接足を運び声掛けを行った。この研究集会での情報収集で得た新しいヒントとして、エントロピー関数などを使って関数不等式を導出する手法を取り入れていくアプローチも検討していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Caffarelli-Kohn-Nirenberg型不等式の一般形は3つの積分量を含む不等式であり扱いが難しく、問題の1次元化までは成功しているものの、最良定数の正確な値の導出については前年度よりも新しい結果を出すところまで到達していない。一方で、Hardy-Leray不等式やPoincare不等式など2つの積分量を扱う不等式については新しい事実がいくつか判明している。また、研究集会での情報収集を通して、曲率を持つ空間や分布関数によるアプローチなど、これまでとは違った角度から関数不等式の最良構造を解明する新しい方法を模索し始めている。そのため、研究はおおむね順調に進展していると見なせる。
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今後の研究の推進方策 |
様々な形の関数不等式について、ベクトル場に対する制約条件下での最良構造の研究を継続していく予定である。問題を1次元化することは出来ているが最良定数の正確な値まで判明していない関数不等式については、より精密な評価式の導出を目指す。最良定数値が完全に判明しているものについては、関数の定義域を定曲率空間に変更した場合にどのような最良値の変更がもたらされるのかを新しい問題として取り組んでいく。その際にRiemann幾何学が必要になってくるため、とりわけ定曲率空間でのベクトル場もしくは微分形式の表現方法についても並行して調べていく。先行研究も近年かなり進んでいるため、研究集会を通して関連文献を情報収集する。
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