研究課題/領域番号 |
22K14013
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中島 吉太郎 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (20867337)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | アミロイド線維 / 核形成 / 核形成反応 |
研究開始時の研究の概要 |
私たちの身体の中で生命を維持するため、蛋白質は様々な役割を果たしている。しかし、何らかの理由で蛋白質が壊れ、「アミロイド線維」と呼ばれる針のような塊を作ってしまうことがある。このアミロイド線維は、アルツハイマー病やパーキンソン病の原因物質として知られているが、なぜ・どのように身体の中で作られるかに関してわからないことが多くある。そこで、この研究では、アミロイド線維が作られる段階の最も初期に位置する核形成反応に注目し、その原理について実験を通して研究を行い、知見を得ることを目指す。また、得られた知見を、将来、アルツハイマー病などの難病の創薬や診断等へ応用することを目指す。
|
研究実績の概要 |
超音波照射法を用いてアミロイド線維の核形成に関する実験的研究を継続的に実施している。対象蛋白質は、透析アミロイドーシスの原因蛋白質であるβ2ミクログロブリンと、パーキンソン病の原因蛋白質であるαシヌクレインを中心に研究を行っている。αシヌクレインに関しては、超音波照射条件下において、界面活性剤を利用し、超音波気泡の表面状態を変化させることで、アミロイド線維形成反応経路上の核形成過程の速度を制御できることを明らかにし、この内容に関する学術論文を責任著者として発表した(K. Nakajima et al., ACS Chem. Neurosci. 15, 1643-1651 (2024).)。また、β2ミクログロブリンに関しては、超音波の周波数と核形成速度の関係を詳細に調査し、超音波照射条件下におけるアミロイド核形成速度とアミロイド形成能の失活に関する知見を得ることができた。この成果に関しては、論文を執筆中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画にのっとり、学術的な問いにアプローチできている。また、自らの研究グループのみならず、医学系研究室との共同研究も進展しており、研究成果を発表することができている。(S. Yamamoto et al., Amyloid 1-11 (2024).)また、今後のさらなる研究のために必要な予備実験も並行して進めることができている。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は最終年度であるため、当初の計画通り、アモルファス凝集体とアミロイド線維の核形成に関する研究を推進する計画である。また、そのためのいくらかの予備実験を完了しており、年度初めから研究にとりかかる準備ができている。また、本研究で得られた知見をもとに臨床検体を用いた研究にも着手する計画である。
|