研究課題/領域番号 |
22K14022
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分14020:核融合学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
東郷 訓 筑波大学, 数理物質系, 助教 (80779603)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 周辺プラズマ / ダイバータ熱負荷制御 / ジャイロ運動論的シミュレーション / 熱流束広がり幅 / 乱流輸送 |
研究開始時の研究の概要 |
核融合プラズマでは核燃焼プラズマから周辺プラズマに定常的に熱流が流入する。熱流の広がり幅が小さいほど狭い受熱面積に熱流が集中し、熱流制御がより困難になる。しかし熱流の広がり幅を能動的に変化させる手法は発見されていない。そこで本研究では、周辺プラズマへのガスパフやペレットの入射に伴うプラズマ揺動が熱流の広がり幅に与える変化とその物理機構、将来装置での熱流制御にもたらす効果をシミュレーションで解明することを目的とする。第一原理的なプラズマ輸送コードと、中性粒子/不純物粒子の挙動を解く周辺プラズマ統合コードのカップリングにより、ガスパフやペレット入射の際のプラズマ揺動のシミュレーションを行う。
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研究実績の概要 |
核融合炉は核融合反応を担う高温の炉心プラズマとそれを取り囲む低温の周辺プラズマに大別される。炉心プラズマから周辺プラズマに漏れ出た粒子・熱は受熱装置であるダイバータ板に到達する。この際ダイバータ板が受ける高い熱負荷を許容範囲内に制御することは、核融合炉実現に向けた最重要課題の一つである。 申請者はこれまでに第一原理シミュレーションを用いて、プラズマへのペレット(水素氷)入射による粒子供給の際に生じる揺動に着目してきた。この揺動により周辺プラズマにおける径方向への粒子・熱の乱流輸送が増大されれば、ダイバータ熱負荷を低減できると期待される。 大規模周辺プラズマシミュレーションコードSOLPS-ITERは欧州を中心に世界中の実験装置のダイバータ熱負荷評価の実績がある。プラズマ輸送モデルは流体モデルであるため、径方向乱流輸送は拡散係数を与えることで近似せざるを得ないが、上記の第一原理シミュレーションより原子・分子過程が詳細であることや、計算時間が短いために系統的にデータを得られることなどの利点がある。そこで本研究としては、第一原理シミュレーションにて粒子供給時に生じる乱流輸送を調べ、それを拡散係数として表現し、SOLPS-ITERに導入することでダイバータ熱負荷への効果を調べることにした。 令和4年度はSOLPS-ITERを管理しているITER機構(フランス)を訪問し、SOLPS-ITERコードと計算機クラスタの使用手続きとコード使用の初期トレーニングを進めた。今後はペレット入射実験を実施しているDIII-D装置(アメリカ)に同コードを適用する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナの世界的な状況の影響で、フランスへの渡航時期が当初の計画よりも遅れたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後はペレット入射実験を実施しているDIII-D装置(アメリカ)にSOLPS-ITERコードを適用する予定である。同装置のSOLPS-ITERシミュレーションを実施している研究者に協力を要請し、効率良く研究計画を遂行できるように工夫する。 また第一原理シミュレーションは令和5年度から開始する。コードを管理しているプリンストンプラズマ物理研究所(アメリカ)との議論を進める。
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