研究課題/領域番号 |
22K14024
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分14020:核融合学関連
|
研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
浜地 志憲 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (60761070)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 核融合プラズマ材料相互作用 / 液体金属 / プラズマ対向機器 / 自由表面流 / 濡れ性改善 / 核融合 / プラズマ-液体金属相互作用 / プラズマ |
研究開始時の研究の概要 |
非炭素電源として期待される核融合発電ではプラズマの純度管理が重要であるが、求められる純度が非常に高いため、固体壁からの脱離不純物などによって容易に性能が劣化するため、液体金属壁は核融合発電実現のために大きな注目を集めている。本研究は、これまでに行われてきた滞留型の液体金属壁でなく、液体金属の"滝"を壁面に流すことで常時清浄な液体金属壁を維持する自由表面流液体金属壁の実現を想定し、プラズマ装置内部に液体金属自由表面流を形成する新装置を製作して、プラズマと液体金属の相互作用について調べる研究である。
|
研究実績の概要 |
本研究は、世界的にも実験的な研究が少ない、液体金属の自由表面流とプラズマの相互作用を調べることを主眼としている。2022年度は真空中での溶融スズの自由表面流を実現するため、全体を300度に加熱し、高価であり、循環系であるためプラズマ照射後の溶融スズの分析には不向きな電磁ポンプを用いた循環ではなく、不活性ガス(アルゴン)のガス圧によって一方向に溶融スズを駆動させる液体金属流動装置を設計・製作し、大気に晒すことなく溶融スズを駆動するシステムを実現した。また、核融合炉での液体金属自由表面流の応用にも必要である壁面の濡れ性改善手法として、溶融スズを用いてステンレス鋼(sus304)表面に形成した合金層を用いる方法を考案し、その性能を上記装置で評価した。 結果、未処理のsus304で作成したスロープでは、投入した溶融スズが金属との表面張力差の大きさによりボール状の液滴として滑り落ちる一方で、sus304表面に合金層を形成したスロープでは幅約60mmの自由表面流の形成に成功した。この手法による金属表面の濡れ性改善は、先行研究で用いられるプラズマを照射するのと同じ真空系での前処理プラズマ照射を行う手法より簡便で、大気曝露にも強いため、有用な手法であると考えられる。 上記の成果を踏まえ、既存の直線型プラズマ装置に上記と同様の液体金属流動装置を導入するため、その設計・製作を開始し、2022年度末までに装置の設計と照射・計測チャンバーなどの製作を終了した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
申請時の研究計画では、液体金属駆動装置の設計・製作と液体金属での自由表面流形成に必要な濡れ性改善の実現に1年程度を見積もっていたが、濡れ性改善手法の考案やその評価実験は順調であったため、当初計画を前倒しして液体金属自由表面流へのプラズマ照射装置の設計・製作に着手することが可能となった。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度以降は、直線型プラズマ装置に上記と同様の液体金属流動装置を導入し、溶融スズでの自由表面流による打ち込まれたプラズマ粒子の輸送特性や、表面からの離脱特性、プラズマへのスズの影響などの研究を行うことを予定している。当初計画を前倒しして2022年度にプラズマ照射のための液体金属流動装置の製作に着手したため、2023年度内の当該装置の完成を目指す。 当該装置の完成後は順次上記の研究を進めるが、研究代表者の知見が不十分なプラズマ分析などの分野では他の研究者との連携した研究を目指す。
|