研究課題/領域番号 |
22K14030
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
吉田 聡太 宇都宮大学, 大学教育推進機構, 助教 (10868665)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 原子核構造 / 核力 / 第一原理計算 / 有効相互作用 / 殻模型計算 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙における物質進化の足跡を理解するためには原子核の性質の理解が不可欠である。 原子核を構成する陽子/中性子に働く基本相互作用である核力は、3つ以上の核子があってはじめて働く3体力の存在により、定量的な理解が非常に困難であり、実験的な検証の難しい不安定核領域など未知の原子核の性質についての理論予測を困難なものとしている。 本研究では、カイラル有効場の核力に基づいた核力を出発点に、第一原理計算やそれに基づく殻模型有効相互作用の導出などを駆使することで、3体力の中重核領域での効果、とくにαクラスター形成や中性子過剰核のドリップライン形成等に与える影響を解明することを目的としている。
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研究実績の概要 |
宇宙における物質進化の足跡を理解するためには原子核の性質の理解が不可欠である。 原子核を構成する陽子/中性子に働く基本相互作用である核力は、3つ以上の核子があってはじめて働く3体力の存在により、定量的な理解が非常に困難であり、実験的な検証の難しい不安定核領域など未知の原子核の性質についての理論予測を困難なものとしている。 本研究では、カイラル有効場の核力に基づいた核力を出発点に、第一原理計算やそれに基づく殻模型有効相互作用の導出などを駆使することで、3体力の中重核領域での効果、とくにαクラスター形成や中性子過剰核のドリップライン形成等に与える影響を解明することを目的としている。 本年度は、昨年度自身が公開・出版した計算コード群NuclearToolkit.jl(https://github.com/SotaYoshida/NuclearToolkit.jl)を基盤として、核構造計算において中心的な役割を果たしている第一原理計算手法であるIn-Medium Similarity Renormalization Group(IM-SRG)法の代理モデル構築を初めとした計算手法の開発を主に行った。 提案手法では、IM-SRG計算のボトルネックである演算子のフローを効率的に解くため、Physics-Informed Neural Networks (PINNs)を用いて、数本-10程度のスナップショットから高精度に計算を外挿する方法を提案している。上記の機械学習を用いたIMSRG法の代理モデルの構築については論文として出版され、その他関連研究を継続して進めている。 また、核子系の量子計算に向けた研究を新たに開始し、現在論文を投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
核構造計算手法の高速化・高精度化、新たなパラダイム提案は、本研究においても重要課題と位置づけており、今年度はIM-SRG法の代理モデル構築に向けて、着実に成果を上げることができた。 また、国内外の研究者等とも新たに共同研究を開始するなど、新たな進展も期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に沿って、IMSRG法を用いた有効相互作用の導出を行い、3体力が中重核で与える効果や、新奇な核構造の解明に向けて研究を推進する。 また、当初の計画になかった新たなアイデアが生まれたり、新たに核子系の量子計算に向けた研究に着手するなど、研究に広がりも生まれつつある。引き続き国内外の研究者らとの共同研究も含めて、積極的に論文出版等、成果発表を行う。
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