研究課題/領域番号 |
22K14051
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武石 隆治 東京大学, 宇宙線研究所, 特任研究員 (70933828)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 宇宙線 / 宇宙ガンマ戦 / 大気チェレンコフ望遠鏡 / 宇宙ガンマ線 |
研究開始時の研究の概要 |
10の18乗電子ボルト以上のエネルギーを持つ超高エネルギー宇宙線の生成には、活動銀河核やガンマ線バースト等の爆発的な天体現象が関連していると考えられているが、その起源は明らかになっていない。超高エネルギー宇宙線の到来方向が集中する領域が、スターバースト銀河M82の近傍に観測されており、M82は超高エネルギー宇宙線の起源の候補として注目を集めている。本研究では、スペイン・ラパルマで稼働中のCTA実験大口径望遠鏡を用いて、通常の観測では用いられない、月のある夜間や天頂からの角度が大きい方向にある天体での観測手法を構築する。それによりM82からのガンマ線を高精度で測定し、宇宙線への寄与を決定する。
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研究実績の概要 |
10の18乗電子ボルト以上のエネルギーを持つ超高エネルギー宇宙線の生成には、活動銀河核やガンマ線バースト等の爆発的な天体現象が関連していると考えられているが、その起源は明らかになっていない。超高エネルギー宇宙線の到来方向が集中する領域が、スターバースト銀河M82の近傍に観測されており、M82は超高エネルギー宇宙線の起源の候補として注目を集めている。本研究では、スペイン・ラパルマで稼働中の解像型大気チェレンコフ望遠鏡(IACT)であるCherenkov Telescope Array (CTA)大口径望遠鏡(LST)およびMajor Atmospheric Gamma Imaging Cherenkov (MAGIC)望遠鏡を用いて、スターバースト銀河M82からのガンマ線を観測し、M82のホットスポットへの寄与を決定する。 2023年度では、MAGIC望遠鏡によりこれまでに取得したM82の観測データ約130時間分を解析した。月のない夜間と月のある夜間における観測を行うことで観測時間を増やし、また月光によるバックグラウンド信号の強度に応じて観測データを選別するプログラムを構築して、ガンマ線事象の選別を最大限効率化した。これにより、約4シグマの有意度でM82からのガンマ線を検出した。今後も観測を継続し、データ解析と成果発表を進めていく。 また、LST初号機(LST-1)の銀河系外観測における性能を実証するため、既知の活動銀河核であるMrk421の観測データ解析を行なった。ガンマ線事象の再構成の際に、天体の方向をあらかじめ仮定した解析手法を導入し、ガンマ線と宇宙線バックグラウンド事象の識別能力を向上させる工夫を行った。それにより、IACTとしては最小の、エネルギー25GeV以上のガンマ線エネルギースペクトルを測定した。得られた解析結果は2023年の宇宙線国際会議で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度では、MAGICによるM82の観測が当初の予定以上に進み、約130時間の観測データで、約4シグマの有意度でガンマ線を検出することに成功した。今後、約20時間程度の観測により5シグマの有意度を超えると予想され、2024年度中に成果発表を行う予定である。 また、LSTの観測時間を増やすため、通常のIACTによる観測では用いられない、月のある夜間での観測と、天頂角60°以上にある天体の観測手法の構築を進める予定だった。その一方で、LST-1は望遠鏡の性能実証から科学観測に移行する段階にあったため、ガンマ線のバックグラウンドである宇宙線事象を適切に除去するデータ解析手法を構築し、望遠鏡の性能を評価することが喫緊の課題となっていた。申請者は、これまでに月のない夜間・天頂角60°以内でのLST-1のデータ解析における系統誤差の理解に注力した。そのためにLSTの観測は本研究の当初の計画からやや遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度に、MAGICによるM82の観測・データ解析結果をまとめ、国際会議における発表を行い、学術論文にまとめる。並行して、LST-1によるMrk421等の活動銀河核の観測・データ解析結果をまとめ、LST-1の銀河系外天体の観測の初めの成果として学術論文にまとめる。申請者の試算では、LST-1単体での観測は、M82のスペクトル解析に数百時間分の観測データが必要になり、稼働中のLST-1単体を用いるよりも、建設中のLST2-4を含めたアレイによる観測の方が効率が良い。そのため、LSTアレイでの観測に備え、月のある夜間での観測と、天頂角60°以上での観測手法の構築を進める。
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