研究課題/領域番号 |
22K14058
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木河 達也 京都大学, 理学研究科, 助教 (60823408)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ニュートリノ検出器 / 3Dプリンタ / 水ベース液体シンチレータ / ニュートリノ反応 / ニュートリノ振動 / 3Dプリントシンチレータ |
研究開始時の研究の概要 |
ニュートリノにおけるCP対称性の破れは宇宙から反物質が消え去った謎を解く鍵となり得る。現在、T2K実験におけるニュートリノ振動の測定により、このCP対称性の破れの兆候が示唆されており、建設中のハイパーカミオカンデにより発見を目指している。ハイパーカミオカンデはCP対称性の破れの検証における統計精度を劇的に改善する一方で、水標的のニュートリノ反応の不定性に起因する大きな系統誤差が残ってしまうことが懸念されている。本研究では3Dプリント技術を応用した微細空洞構造のニュートリノ検出器を開発し、水標的のニュートリノ反応の精密測定による系統誤差削減、そしてニュートリノのCP対称性の破れの発見へ導く。
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研究実績の概要 |
水をベースとした液体シンチレータを用いた新型ニュートリノ検出器の小型試作機を製作したものの、2022年度に行った陽電子ビームを用いた性能評価試験から光量が十分でないことが分かっていた。 当該年度においてはまず水をベースとした液体シンチレータに必要な界面活性剤について材料や量を最適化した。その結果、IGEPAL CO-630が光量を増やすのが最適であることがわかり、IGEPAL CO-630を用いて配合を最適化することで水の割合を保ったまま光量を1.8倍に増加することに成功した。 シンチレータを分離する光学セパレータについてもさまざまな物質を試験したが、反射率は最大で85%程度であった。光学シミュレーションからこれを93%まで向上することができれば光量を1.4倍にする余地があることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当該年度までに小型試作機を製作し、陽電子ビームにより試験することが当初の研究計画であったが、それらは1年前倒しで完了しており、当該年度においてはその結果をもとに液体シンチレータや光学セパレータのさらなる改良まで行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
光学セパレータの改良が最大の課題であり、まずはそれに取り組む。現在、光学セパレータの材料として使用しているPMMAなどに白色顔料を混ぜる、もしくは2色印刷が可能なデュアルヘッド3D プリンタを用いて薄い層構造を形成することなどにより反射率を93%まで向上し、光量を1.4倍にまで向上することを目指す。 反射率が改良した暁には得られた検出性能を実装した検出器シミュレーションを開発し、大型化した際のニュートリノ反応測定の期待性能を見積もる。
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