研究課題/領域番号 |
22K14065
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
山谷 昌大 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 招聘職員 (80896275)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ダークマター探索 / 宇宙線 / 反粒子 / 気球 / 宇宙線物理 |
研究開始時の研究の概要 |
地球に飛来する宇宙線は、宇宙形成過程やダークマターの理解における重要なプロープであり, 今日でもガンマ線や反粒子などを対象とした多様な宇宙線観測実験が行われている。通常, 宇宙線反重陽子数は極微少であるが、ダークマターが存在することでその数が2桁から3桁ほど増加する可能性が指摘されている。GAPSはこの宇宙線反重陽子を検出することでダークマターの間接的探索を行う。本研究は、機械学習をベースにした解析を取り込むことで、宇宙線反重陽子の発見感度を向上させる。2022年度に予定されている南極長期飛翔実験で得たデータに開発した解析手法を適用し, 宇宙線反重陽子の検出を目指す。
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研究実績の概要 |
宇宙線反重陽子の識別能力向上のために機械学習を用いた解析手法の研究開発を行なった。BDT (Boosted Decision Tree) を導入し、学習変数及び学習パラメータの最適化を行うことで、従来の解析と比較して反重陽子に対する感度が向上することを示した。この手法は反重陽子だけでなく反陽子や反ヘリウムの探索にも利用できる可能性がある。 また、従来の再構成アルゴリズムではプラスチックシンチレータ通過時のエネルギー損失による入射粒子速度 (β)への影響が顕著になり、低エネルギー反粒子のβが上手く再構成できない問題が顕になった。このような再構成精度の芳しくない変数に対し、時間を含めたヒット情報を入力変数とした回帰型ニューラルネットワークを用いることで、従来の再構成アルゴリズムに存在したバイアスを抑制したβを推定することが可能となった。 今後は、上記の研究成果をまとめた学術論文をGAPSを代表して執筆する予定である。 従来の特徴量による事象選別ではなく、検出器の粒子ヒット情報を3次元のデータとして3次元畳込みニューラルネットワークに学習させる研究も行なった。3次元畳込みニューラルネットワークに加え、特徴量を入力変数とした全結合型ニューラルネットワークの出力も最終的に結合することで、特徴量のみの識別よりも粒子識別能力が改善される可能性があることを示した。この成果は国際学会で発表し、学術論文としても執筆済みである。 MCシミュレーションデータ及び観測データのデータパイプラインの整備作業は継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
粒子識別能力の研究開発については従来手法よりも性能の良い結果が得られており、学術論文もまとめつつある。経過は概ね良好であると言える。 一方で、2022年度に予定していた南極長時間気球飛翔実験が2023年度以降に延期されてしまった。そのため当初予定していた観測データの解析を行うことがまだできていない。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度以降の南極長時間気球飛翔実験に備えるために、観測データの物理解析手法の研究を進める。観測データ及びシミュレーションデータのデータパイプラインの整備や、反重陽子の探索結果を示すための統計解析手法の整備なども含め、GAPSチーム全体で協力しながら進める予定である。 また、飛翔に向けたGAPS検出器の動作確認や環境試験も行い、南極飛翔実験を問題なく遂行できるよう着実に準備を進める。
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