研究課題/領域番号 |
22K14080
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
小林 将人 国立天文台, 科学研究部, 特別客員研究員 (10837454)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 大質量分子雲 / 大質量星形成 / 銀河進化 / 巨大分子雲 / 形成起源 / 銀河星形成 |
研究開始時の研究の概要 |
銀河の非効率な星形成過程を理解するために, 大質量分子雲の進化過程の解明が不可欠である. しかし大質量分子雲の形成には2つの阻害要因があり, 小質量分子雲と比べてそもそも形成条件が未だ明らかでない. そこで本研究では輻射磁気流体シミュレーションを用いて分子雲進化を系統的に計算し, この結果を申請者の半解析的な分子雲質量関数モデルに反映させ, さらに申請者が参画し多数の銀河に対し実行されているALMA望遠鏡の分子雲観測と比較する. これにより大質量分子雲形成条件の銀河内多様性・銀河環境多様性を網羅的に解明し, 大質量分子雲の形成と銀河の非効率星形成過程の関係を解明することで, 銀河の星形成過程を統一的に明らかにする.
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研究実績の概要 |
銀河の星形成活動は, 星間媒質の物理状態から予想されるものと比べ非常に非効率である(典型的に数%)ことが,多くの系外銀河に対して観測的に明らかになっている.非効率な星形成活動の起源解明は,銀河進化学・宇宙物理学における最重要課題の一つとなっている. 星は分子雲の中で誕生することがわかっており,特に分子雲の中でも10万太陽質量以上の大質量分子雲が, 銀河の熱的・化学的進化に多大な影響を及ぼす大質量星の誕生環境である.すなわち大質量分子雲の起源は,大質量星形成・銀河進化の重要な初期条件である.しかし大質量分子雲の形成には,質量集積の困難と大質量星からのフィードバックという二大未解決要因があり, 小質量分子雲と比べてそもそも形成条件が未だ明らかでない. 昨年度までにに二相化した水素原子ガスから分子雲が形成する状況を,磁気流体シミュレーションで調べるための初期条件生成を,二次精度計算できる準備が終わった.本年度はさまざまな磁場構造を持った初期環境・さまざまな速度で水素原子ガスが圧縮される環境を念頭に,大質量分子雲形成の計算を進めた.現段階ではまだ大質量分子雲にまで成長が至っていないが,大局磁場の角度が圧縮方向に対して傾いている場合に,銀河衝突に代表されるような高速度衝突が分子雲形成を決定づける重要なパラメタとなっていることが明らかになった.多様な金属量環境も計算できるように,化学計算のアップデートも開始した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
40pcスケールを,公開輻射磁気流体シミュレーションコードAthena++を用いて計算を進めた.多様な磁場角度・圧縮方向のパラメタを系統的に計算することができ,高速度圧縮の重要性が明らかになってきた.これらのパラメタで安定的に計算できるコード開発も終了した.
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今後の研究の推進方策 |
実際の銀河衝突環境では,空間非一様な金属量分布が一般的である.特に大質量星形成は,大小マゼラン雲など,潮汐相互作用で異なる金属量ガスの衝突環境で発生していると考えられる.これを模擬して調べるためには,化学計算を同時並行・非平衡に行う必要がある.すでに本年度中に開始したコード開発準備を,今後さらに進める.
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