研究課題/領域番号 |
22K14082
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
野口 里奈 新潟大学, 自然科学系, 助教 (30792965)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 露頭 / 柱状図 / 機械学習 / 火星 / 露頭柱状図 / 画像解析 / 地質記載 |
研究開始時の研究の概要 |
火星で露頭スケールの地質調査が行われる時代が到来している。多量の探査画像データが得られ、火星探査を続々と控える今、画像データに基づいた露頭調査手法を確立する必要がある。地球上で行われる地質調査では、地層の分厚さ(層厚)や構成物の種類や粒径などの基本データを統合した柱状図を最初に作成する。柱状図の作成には、作成対象箇所の選定、地層の認識・分割、層厚の測定、構成物の判別が必要であるが、データの収集には人的・時間的コストがかかる。そこで本研究では、画像解析・機械学習手法を適用し、地球上のフィールドでの人間による観察とすり合わせていくことで、柱状図を画像から自動的に作成する手法を開発する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、前年度に引き続き、柱状図を画像から自動的に作成するための第一段階である「露頭中における柱状図作成対象箇所の自動検出」に取り組み完了させた。成果を学会(日本地球惑星科学連合大会2023年大会および惑星圏シンポジウム)および国際誌上(Noguchi and Shoji, 2023, Frontiers in Earth Science)で発表した。
全層畳み込みネットワークの1つであるU-NetおよびLinkNetを用いて、画像中における地層露出領域の抽出の自動化に取り組んだ。これらのネットワークは対象領域の学習・抽出に適している。学習条件をどのように設定すれば最も良い抽出精度が得られるかについて、伊豆大島や三宅島での現地調査にて取得した画像を用いて条件を違えた27の学習モデルを作成し、検証した。学習・比較の結果、U-Netを用いた場合でファインチューニング有り・バックボーンResNet50の条件で最も良い精度が得られた。今後は、火星上露頭画像についても精度高く抽出できるネットワーク・学習条件を探っていくため、まずはこれまでに取得されている衛星画像を用いて試行していく。
また、2023年度は柱状図の自動描画に先駆けて、スケール入り画像・標高データありの場合における地層厚の自動抽出アルゴリズムの開発に取り組んだ。速報を2024年2月に開催された惑星圏研究会で発表するなど、第三段階以降にもすでに取り組み始めており、当初の計画以上に研究を進められている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
柱状図を画像から自動的に作成するための第一段階である「露頭中における柱状図作成対象箇所の自動検出」が完了し、次の段階である「地層の認識・分割」および「層厚の測定」にも目処がついた。地層の認識・分割に関しては、複数のパラメータからなるGray-Level Co-occurrence Matrix (GLCM)特徴量を多変量データとして解析することで実際の構成物と紐づけた地層の判別ができないか検討を進めている。第三段階以降にもすでに取り組み始めており、当初の計画以上に研究を進められている。
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今後の研究の推進方策 |
柱状図を画像から自動的に作成するための第二段階以降(地層の認識・分割、層厚の測定、構成物の判別)に取り組むとともに、第一段階で作成した地層露出領域抽出モデルの火星用チューンナップを行う。また、第三段階以降(柱状図を描画するためのアルゴリズム)について、これまでの検討とのスキーム化を進めていく。
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