研究課題/領域番号 |
22K14100
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 気象庁気象研究所 |
研究代表者 |
安井 良輔 気象庁気象研究所, 気象観測研究部, 研究官 (10894488)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 大気化学 / 中層大気 / 超高層大気 / モデル開発 / MLT領域 / 電離圏 / 大気物理学 / 非局所熱力学平衡 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、高解像度中性大気-電離大気結合モデルGAIA (Ground-to-topside model of Atmosphere and Ionosphere for Aeronomy)に、地表から熱圏までの大気微量成分を陽に解像する化学輸送スキームおよび非局所熱力学平衡を考慮した放射スキームを組み込み、全球的な微量成分による放射冷却・加熱率を推定し、中間圏および下部熱圏のエネルギー収支および気温構造形成要因の解明を目指す。対流圏・成層圏より上部の大気に関する本研究の成果により、人為起源の温室効果ガスによる全大気での気候変動の理解につなげる。
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研究実績の概要 |
研究目標である中間圏および熱圏の温度構造形成の理解に向けて、2023年度は主に大気大循環モデルへの化学輸送スキームの導入を引き続き行なった。具体的には、昨年度同様に対流圏から電離圏をカバーする中性大気-電離大気結合モデルGAIA(Ground-to-topside model of Atmosphere and Ionosphere for Aeronomy)を用いて、昨年度開発した光化学反応スキームの計算高速化を行なった。観測された太陽放射フラックスおよび光化学反応断面積をそのまま使用すると、計算時に約2000binの波長について光化学反応生成量を計算する必要があったため、非常に計算に時間がかかっていた。そこで、波長のbinの区切りを変更し粗視化することで、計算量の削減を実行した。波長の区切りは、太陽放射のライマンα領域において、元の波長分解能を保つことで、計算精度の悪化が防げることがわかった。 また、熱圏の温度構造形成の理解に重要である、大気潮汐波の年々変動の解析も合わせて行なった。宇宙からの外部強制の影響を除くために、中間圏界面付近までデータ同化を行なっているJAGUAR-DASデータを使用した。中間圏界面付近では、QBOと太陽同期潮汐波DW1の変動には相関があり、赤道の高度30㎞まで高い相関を持っていることがわかった。また、DW1の位相変化については、QBOと大きな相関はないことがわかった。 これらの進捗状況および結果について、2024年度の日本気象学会春季大会で発表を行なう予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度の計画であった中性大気-電離大気結合モデルGAIAへの化学種の導入については、今年度で終了する予定であったが、スーパーコンピュータの計算環境に対応させるため、モデルのソースコードを大幅に書き換える必要があった。そのため、化学反応スキームのNOXについてはまだ導入できておらず、計画よりも少し遅れている状況である。一方で、NOXを導入することができれば、電離圏モデルで導入されているイオン種との反応の計算ができ、熱圏の温度分布の表現がよくなると考えられるため、NOXを導入することで、一通り化学輸送スキームの開発が完了となる。また、本研究で組み込んだ化学種を用いたnon-LTEスキームについては、まだ準備ができていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度で組み込み予定であったNOXを導入し、化学輸送スキームの開発を完了させる予定である。また、non-LTEの放射スキーム構築については、化学輸送スキームの開発と並行して行なえるため、そちらについても構築を進める予定である。2023年度は他の業務により本研究に時間を割くことが難しかった。2024年度も同様のスケジュールになる予定のため、早めに取り掛かる予定である。
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