研究課題/領域番号 |
22K14108
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
高橋 幸士 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (80762252)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 石炭 / マセラル / 希土類元素 / 微量元素分析 / LA-ICP-MS |
研究開始時の研究の概要 |
希土類元素(Rare Earth Elements: REE)の供給源として、石炭や石炭灰の重要性が認識されつつあるが、REE濃度の高い石炭の形成機構や特徴には不明な点が多い。石炭を構成するμmサイズの微細組織は、”マセラル”と呼ばれ、起源の違いによって異なる形態と物理・化学的特性を示すため、マセラル組成は、石炭の形成機構の推定や炭質評価に用いられてきた。本研究では、マセラルレベルの微量元素分析によって、各マセラルのREEポテンシャル評価を実施し、得られた結果とマセラル組成に基づいて、REEポテンシャルの高い石炭の形成機構や特徴の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
石炭を構成するμmサイズの微細組織(有機物)は、”マセラル”と呼ばれ、その起源毎に異なる形態と物理・化学的特性を示す。本研究では、マセラルレベルの希土類元素(Rare Earth Elements: REE)のポテンシャル評価を実施し、得られた結果に基づいて、REEポテンシャルの高い石炭の形成機構や特徴の解明を目指している。今年度は、主に以下の研究を進めた。 (1) 石炭組織の顕微鏡観察とLA-ICP-MSによる局所分析:各マセラルの純粋な測定データを取得するため、石炭試料の顕微鏡観察を実施し、特にREEポテンシャルが高いと期待されるゲロビトリナイトやゲロヒューミナイト(褐炭におけるゲロビトリナイト相当)について、大型のマセラル探索を進めた。その一方、アブレーション範囲を狭めることによって、各マセラルの純粋な測定データを取得可能であるかを検討した。また、バナジウム等、REEと同様に有機物との親和性が高いとされるレアメタルも含めた測定データを取得し、解析を進めた。
(2) 測定試料の工業分析・CHNSO元素分析:LA-ICP-MSを用いて局所分析した試料の工業分析やCHNSO元素分析のデータを解析し、炭質評価や堆積環境に関する検討を進めた。現在、得られた成果をまとめ、原著論文として国際学術誌に投稿準備中である。
(3) 火山砕屑物と近傍する石炭層の調査:火山灰等の火山砕屑物と接触、または近傍する石炭層の場合、火山砕屑物から石炭層にREEが二次的に移動・濃集しやすいことが知られている。本年度は、このような産状を示す石炭層から試料を採取し、分析試料としての検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
バナジウム等、REE以外のレアメタルに関する基礎データが得られつつあるが、大型のマセラル探索が難航しており、REEポテンシャルが高いことが期待されるゲロビトリナイトやゲロヒューミナイトの純粋な測定データの取得に至っていない。レーザー出力を調整し、アブレーション範囲を狭めることによって純粋な測定データの取得を試みたところ、30μm程度のアブレーション範囲では、少なくとも本年度検討した試料については、信号強度が低く、イットリウム以外のREEに関して信頼性の高いデータを取得出来なかった。また、本計画初年度(2022年度)における半年間の部署異動の間、研究現場から離れていた影響もあり、全体の進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、大型のマセラル探索を進めると共に、火山砕屑物からの二次的な移動・集積により、特にREE濃度が高いと期待される石炭試料の工業分析、CHNSO元素分析、微量元素分析に関するデータの取得と解析を進める。得られた結果に基づき、マセラルレベルのREE濃度が高いことが期待される試料を用いて、必要に応じてアブレーション範囲を調整し、各マセラルの純粋な測定データの取得を試みる。これらの結果に基づき、マセラル組成と石炭のREEポテンシャルの関係性を検討し、成果を学会等で報告する。
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