研究課題/領域番号 |
22K14109
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森田 雅明 東京大学, 地震研究所, 助教 (40805149)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 火山ガス / 二酸化硫黄放出率 / 衛星 / TROPOMI / 福徳岡ノ場 / 西之島 / 噴火 / 二酸化硫黄 / 準リアルタイムモニタリング |
研究開始時の研究の概要 |
火山活動推移の予測・評価を通じて火山防災・減災に貢献するために,静穏期から噴火時に至るまでモニタリング可能で,地下のマグマ供給率などの噴火切迫度の評価指標となる,二酸化硫黄(SO2)放出率の準リアルタイムモニタリング手法を開発する.特に,国内火山を網羅的かつ連続的にモニタリングするために,衛星センサーを用いた解析手法を新たに開発する.具体的には,衛星センサーで得られたSO2カラム量の空間分布に対して,大気流跡線モデルによるインバージョンを行うことで,高頻度な放出率データを算出する.得られた放出率の精度を評価するために,地上での機動観測・自動観測の結果との比較を行う.
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研究実績の概要 |
衛星センサーによるSO2放出率の準リアルタイム解析手法を開発するため,TROPOMI・ひまわり8号データを統合した放出率解析手法のプロトタイプの製作を継続した。福徳岡ノ場2021年噴火および西之島の2021-2022年の噴火活動について,TROPOMIで得られたSO2カラム量の分布データに,噴煙高度と風向・風速を与えることで放出率を解析した。また,衛星画像による地形判読や表面現象の評価を行い,TROPOMIの観測結果との整合性の検証を行なった。西之島では,TROPOMIのSO2放出率の変動は,噴煙の見かけ幅や火山灰の放出状況,変色水の拡大状況,火口地形の変化等とおおむね整合的に推移している。 TROPOMIと合わせて,浅間山のSO2放出率をGEMSで推定することを試みた。2023年3-10月で,500-2,000 ton/day程度の値を推定した。この値は,この期間の気象庁の地上観測により求められた値と概ね一致しているが,GEMSでは誤差が大きく,日によっては推定値に100%以上の誤差がつく場合があった。時間変動については,地上観測の結果と整合的であるので,一回の観測における絶対値の評価と誤差の減少が必要である。今後解析手法の改善が試みる。 上記解析と並行して,火山ガスの全放出率を求めるために,地上からのSO2放出率観測とドローンによる噴煙組成観測を十勝岳で実施した。地上観測を継続して行うことで,衛星観測で得られたデータの精度検証を継続する。 得られた成果について,AOGSの国際学術集会(招待講演),Water-Rock Interaction(国際研究集会),火山学会,大気化学討論会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
観測データの解析に当初見積もりより多くの時間が必要となったため,当初目標のシステム開発まで進まなかった。また,短期間ではあるが育児休業を取得し,業務を中断する必要があった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,当初目標の自動解析システムを制作する。また,福徳岡ノ場と西之島の結果について,論文として誌上発表する。十勝岳や阿蘇山をターゲットとして地上観測と衛星観測の比較を行い,衛星観測で得られる結果の精度検証を行う。
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