研究課題/領域番号 |
22K14115
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
鹿児島 渉悟 富山大学, 学術研究部理学系, 特命助教 (70772284)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 物質循環 / アウターライズ / 断層 / 地球化学 |
研究開始時の研究の概要 |
現在の地球大気・海洋は、断層や火山を経由して地球深部から放出された水などの揮発性物質が蓄積して形成したと考えられている。日本海溝のアウターライズ(海溝外縁隆起帯)の大規模正断層では、マントル-海洋間の流体循環が存在している可能性が指摘されている。アウターライズ断層における流体循環はグローバル物質循環に大きく寄与し大気海洋環境を支配してきた可能性があるが、その規模については観測が不十分であるため不明瞭である。本研究ではマントル成分の寄与に敏感なヘリウム同位体などを用いて、アウターライズ断層における物質循環と、それがグローバル物質循環や大気海洋環境に与える影響を調査する。
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研究実績の概要 |
現在の地球大気・海洋は、断層や火山を経由して地球深部から放出された水などの揮発性物質が蓄積して形成したと考えられている。日本海溝のアウターライズ(海溝外縁隆起帯)の大規模正断層では、マントル-海洋間に流体循環が存在する可能性が指摘されている。アウターライズ断層における流体循環はグローバル物質循環に大きく寄与し大気海洋環境を支配してきた可能性があるが、その規模については観測が不十分であるため知見が不足している。本研究ではマントル成分の寄与に敏感なヘリウム同位体などを用いて、アウターライズ断層における物質循環と、それがグローバル物質循環や大気海洋環境に与える影響を調査することを目的とする。 今年度は、2023年4月に実施した新青丸KS-23-6次航海「日本海溝アウターライズにおける大規模流体循環の時空間スケールの解明」を通じ、東北沖日本海溝アウターライズ海域においてピストンコアラーを用いて海底堆積物・間隙水試料を採取した。航海終了後、陸上で間隙水中の希ガスや酸素・水素同位体比等が測定された。間隙水は海水と明らかに異なるヘリウム・ネオン同位体組成を持ち、海水よりも高い3He/4He比を持つマントル起源物質を含むリザーバの影響を強く受けていることが分かった。さらに、これまで得られた間隙水の希ガス同位体組成の空間分布から、調査海域の広範囲において間隙水の端成分の3He/4He比は一様の値を持つ可能性があることが分かった。今年度得られたデータについては2024年度に発表予定であり、5月の日本地球惑星科学連合大会において招待講演を含む発表が採択されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、日本海溝近傍のアウターライズ断層近傍における観測を実施して堆積物・間隙水試料を採取し、ヘリウム同位体比等のデータが得られた。今後の研究で得られるデータとも比較を行い、日本海溝近傍における固体地球内部―地球表層間の物質循環等について議論を進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、今年度に実施した研究航海「日本海溝アウターライズにおける大規模流体循環の時空間スケールの解明」によって得られたデータを学会等で発表しつつ、さらなるデータ収集のため当該海域における2025年度の研究航海を申請する計画である。今後も、蓄積したデータに基づいて、日本海溝近傍における固体地球内部―地球表層間の物質循環等について議論を進めていく。
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