研究課題/領域番号 |
22K14130
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
松本 恵子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (10803926)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 爆発噴火 / 噴出物 / 脱ガス / 浸透率 / 岩石微細構造 / 火口近傍噴出物 |
研究開始時の研究の概要 |
地表に停滞したマグマが爆発を繰り返す仕組みを解明するため,火口近傍調査と岩石微細構造の分析により,ミクロ~マクロの広範囲で岩石構造の定量的解析と脱ガス経路の組織的・化学的可視化を行い,火道頂部の“蓋”のガス浸透構造を明らかにする.また,噴火時系列との比較から“蓋”の形成と破壊による詳細な爆発過程を復元する.これにより,従来仮定されてきた“蓋”の物質的実体を解明し,より現実を再現する爆発噴火モデルの構築を目指す.
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研究実績の概要 |
地表に停滞したマグマからの繰り返し爆発噴火は,火口にできた“蓋”の短時間での繰り返し形成・破壊で引き起こされる.観測や遠方の噴出物によるモデルでは,溶岩ドームなどの緻密で浸透性の低い岩体が“蓋”になり,下方のマグマ由来のガスの増圧により破壊され爆発が発生すると説明される.しかし,“蓋”の物質的実体は調査されておらず,なぜ爆発を繰り返すかも説明されていない.本課題では,火口の“蓋”のガス浸透構造とそれによる爆発過程を復元し,繰り返し爆発の仕組みを解明することが目的である. 2022年度は,これまでの火口近傍調査で採取した新燃岳2018年噴出物を組織の特徴から分類し,それぞれの密度測定と引張強度測定を行った.その結果,繰り返し爆発噴火が発生した2018年3月中旬以降の噴出物は,その多くが火山灰脈,角礫岩や岩塊の複合物で構成され,溶結度と酸化度が異なっていた.複合ブロックの密度は,その直前の溶岩流出期の火砕物に比べて密度が高く,また複合ブロック間では溶結度が高いほどわずかに高かった.また複合ブロックの引張強度は,溶結した黒色火山灰脈以外は4.1-7.2MPa程度で,黒色火山灰脈は14.3-15.9MPaであった.また,浸透率測定装置を自作し,測定用試料を作製した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
噴出物の分類,密度測定と引張強度測定を行い,噴出物の物質的性質を明らかにできた.また,当初予算の減額により浸透率測定装置は自作に変更したが,装置くみ上げまで進捗した.測定試料も準備したので次年度で浸透率測定を行う.
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今後の研究の推進方策 |
噴出物の組織多様性については投稿論文を作成し公表予定である.
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