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疲労強度データベースと機械学習を活用した織物複合材料の材料評価システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K14144
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分18010:材料力学および機械材料関連
研究機関大阪大学

研究代表者

向山 和孝  大阪大学, 大学院工学研究科, 特任研究員 (80743400)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
キーワード一方向炭素繊維強化複合材料 / 開繊織物複合材料 / 疲労損傷モデル / 疲労寿命予測手法 / 疲労特性 / 大標本データ / 損傷進展解析 / 織物複合材料 / 疲労強度データベース / 機械学習 / 材料評価システム
研究開始時の研究の概要

比強度,比剛性に優れる繊維強化複合材料は,車輌・航空分野にて構造部材としての用途展開が図られているが,強度や変形を支配する設計変数が多く,その損傷挙動もまた複雑であり,材料開発・設計に時間を要する.本研究では疲労特性に着目し,単純構造を有する一方向繊維強化複合材料の疲労特性と数値解析手法のみから複雑構造を有する織物複合材料の疲労寿命と損傷挙動を予測し,さらにはMI(マテリアルズ・インフォマティクス)の観点からベイズ最適化に基づく機械学習により高疲労特性を有する織物複合材料の自動探索システムを開発し,疲労寿命と損傷挙動の関係性の解明,材料開発・設計期間の短縮化を目指す.

研究実績の概要

本研究は,繊維強化複合材料の疲労特性に着目し,単純構造を有する一方向繊維強化複合材料の疲労特性と数値解析手法のみから,複雑構造を有する織物複合材料の疲労寿命と損傷挙動を予測すること,さらにはマテリアルズ・インフォマティクスの観点から機械学習に基づく高疲労特性を有する織物複合材料の自動探索システムを開発することにより,疲労寿命と損傷挙動の関係性の解明,材料開発・設計期間の短縮化を目指している.
今年度は,①疲労寿命予測手法の構築に向けた検討,②大標本データに基づく炭素繊維強化一方向材の疲労損傷モデルの構築,③損料力学に基づく有限要素法による疲労寿命予測手法の構築を実施した.①では,損傷力学に基づく有限要素法を用いて,静的な一軸引張荷重と4点曲げ荷重下における母材の材料非線形性を考慮した開繊織物積層材の損傷進展挙動を評価することで疲労寿命予測手法の構築に向けた検討を進めた.②では,これまでの成果で得られた一方向材の大標本データに対してS-N直線モデルを回帰し,さらには,疲労強度が正規分布に従うことを前提とした破壊確率に基づくP-S-N直線を作成することで疲労損傷モデルを構築した.P-S-N直線内にすべての大標本データが収まることから妥当な直線を得ることができた.③では,本疲労損傷モデルを損傷力学に基づく有限要素法に実装し,疲労損傷判定則と組み合わせることで疲労寿命予測手法を構築した.本手法に一方向材の破壊確率50%におけるS-N直線と開繊織物複合材料の有限要素モデルを適用することで疲労寿命予測を行い,本手法の検証と妥当性確認を実施した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では3年間で次の4項目に取り組む予定としている.(1)一方向材の疲労強度データベースと統計的手法による大標本データの構築,(2)大標本データに基づく一方向材の疲労損傷モデルの構築,(3)損料力学に基づく有限要素法による疲労寿命予測手法の構築,(4)機械学習による材料自動探索システムの構築と妥当性・有効性の実証.
本年度は,(2)と(3)の達成を目標とし,開織織物複合材料を対象とした静的荷重下の損傷進展解析により材料物性,織構造の幾何学的形状,境界条件や最終疲労破断判定条件である剛性低下割合を検討し,さらには,大標本データからS-N直線回帰モデルに基づく一方向材の疲労損傷モデルの構築を進め,その疲労損傷モデルを損傷力学に基づく有限要素法に実装することができた.疲労寿命予測手法の検証と妥当性確認は引き続き行う予定であるが,上記の進捗状況からおおむね順調であると判断した.

今後の研究の推進方策

2024年度は最終年度であるため実施項目(4)機械学習による材料自動探索システムの構築と妥当性・有効性の実証を主に取り組む予定である.引き続き,織物複合材料を対象としながら構築した疲労寿命予測手法の検証と妥当性確認を,疲労損傷判定則,最終疲労破断判定条件,織構造の幾何学的形状,材料物性の観点から行う.これらは疲労寿命予測結果に大きく影響を与える因子であるため,必要に応じて疲労損傷モデルを含めて改善を行う.そして,最終目的である高疲労特性を有する織物複合材料の自動探索システムを開発するにあたり,機械学習アルゴリズムの検討と機械学習アルゴリズムへの疲労寿命予測手法の実装を目指す.機械学習アルゴリズムについては,ベイズ最適化だけでなくニューラルネットワークなど,他のアルゴリズムも含め検討,選定し,アルゴリズムに応じた入出力条件を見定めながら,自動探索システムの構築を目指す予定である.

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 開繊織構造と従来織構造の熱可塑性複合材料の損傷進展挙動に及ぼす繊維体積含有率の影響2023

    • 著者名/発表者名
      藤本真由,向山和孝,伊与田透碧,花木宏修,倉敷哲生
    • 雑誌名

      構造物の安全性および信頼性

      巻: 10

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] マルチスケール解析手法による曲げ負荷時のCFRTP織物積層材の損傷進展評価2023

    • 著者名/発表者名
      伊与田透碧,向山和孝,藤本真由,花木宏修,倉敷哲生
    • 学会等名
      日本繊維機会学会第76回年次大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 開繊織構造と従来織構造の熱可塑性複合材料の損傷進展挙動に及ぼす繊維体積含有率の影響2023

    • 著者名/発表者名
      藤本真由,向山和孝,伊与田透碧,花木宏修,倉敷哲生
    • 学会等名
      第10回構造物の安全性・信頼性に関する国内シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 開繊糸を用いた熱可塑性織物複合材料の損傷進展解析に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      藤本真由, 向山和孝, 李興盛, 花木宏修, 倉敷哲生
    • 学会等名
      日本機械学会 M&M 2022 材料力学カンファレンス
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Effect of Ply Thickness on Damage Development of CFRTP Using Spread Yarns2022

    • 著者名/発表者名
      M. Fujimoto, K. Mukoyama, X. Li, K. Hanaki, T. Kurashiki
    • 学会等名
      The 6th International Conference on Material and Reliability
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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