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複合材のクラッシング破壊解析ツールの構築と衝撃吸収メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K14150
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分18010:材料力学および機械材料関連
研究機関九州大学

研究代表者

小野寺 壮太  九州大学, 工学研究院, 助教 (00907016)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード粒子法 / SPH / 連続体損傷力学 / CFRP / 結合力モデル / 複合材料 / 損傷力学 / 散逸エネルギー / クラッシング
研究開始時の研究の概要

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)積層板は、クラッシュ時の衝撃エネルギーを破壊の散逸エネルギーに効率よく変換できるため、自動車の衝撃吸収材として注目されている。
衝撃エネルギー吸収特性の評価には、層間はく離、層内割れと繊維破断、分離した層の蓄積で形成されるデブリとCFRP積層板との干渉、のモデル化が必要である。
本研究では、メッシュレスで破壊の不連続性や大変形を容易に扱える粒子法のSPHに損傷モデルを組み込んだCFRP積層板のクラッシング破壊解析ツールを開発する。特に、デブリに着目して衝撃エネルギー吸収メカニズムを実験・解析の両面から明らかにし、CFRP製衝撃吸収材の設計指針を示す。

研究実績の概要

2023年度は、昨年度開発した一般化座標SPH (Smoothed Particle Hydrodynamics)コードにBonet & LokによるCSPH (Corrected SPH)法を導入した。通常のSPH法では,角運動量が保存されないため,粒子分布が非均一になるほど精度が悪化する問題がある。Bonet and Lok は,角運動量保存則が成立するようにKernel関数の勾配を補正することで,粒子配置が非均一な場合での計算精度を改善したCSPH法を提案している。CSPHの導入により,粒子分布が非一様な場合の補正だけでなく,自由表面近傍での近傍粒子が不足する場合の改善もなされる。CSPH法の検証のために,片持ちはりの曲げ解析を実施した。荷重-変位線図において,通常のSPHは剛性が非常に高くなったが,CSPH法の適用によって理論解とよく一致した。また,せん断応力分布について,通常のSPHでは非現実的なせん断応力分布となったのに対し,CSPHは表面でせん断応力がほぼゼロであり材料力学の理論解とほぼ一致し,応力分布が改善された。一般に,通常のSPHでは引張応力が生じると不安定となる引張不安定が生じるが,この原因の一つが角運動量の保存性にある。CSPHでは,角運動量の保存がなされるため,引張不安定性が低減したものと考えられる。また,粒子が疎な境界近傍の粒子について,Kernel近似を施しても値が小さくなることなく境界近傍の近似精度も改善された。続いて,CSPHを導入した解析コードを用いて,双片持ちはり解析を実施したが,理論解・実験と比較して剛性が高く荷重が非常に高くなり計算結果が悪化してしまった。この原因については,CSPHが,はく離モデルと何らかの干渉を起こしていると考えており,課題である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は,解析精度向上のためにCSPH法を導入した。CSPH法を導入したコードで片持ちはりの曲げ解析と双片持ちはり解析を行った。片持ちはりの曲げ解析においては,材料力学の理論解とほぼ一致し,CSPHの妥当性を確かめた。しかし,双片持ちはり解析では,理論解・実験と一致していなく,CSPHとはく離モデルが何らかの干渉を起こしていることが原因と考えられ,改善策を考える必要がある。よって,2024年度は,CSPH法を導入したコードにおいて,はく離モデルの改善を図り,クラッシング解析を行う。総合して研究の進捗は順調であると評価する。

今後の研究の推進方策

2024年度は,CSPH法を導入したコードにおいて,はく離モデルの改善を図り,クラッシング解析を行う。クラッシングの解析の検証のために,負荷治具を開発し,油圧式万能試験機に負荷治具を取り付けることによって,実験を行う。実験は,種々の負荷速度,先端形状の試験片のクラッシングを行い,散逸エネルギーの評価を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Three-dimensional analytical model for composite laminate with transverse cracks by assuming parabolic crack opening2023

    • 著者名/発表者名
      Sota Onodera, Kazuki Ryuzono, Shigeki Yashiro, Tomonaga Okabe
    • 雑誌名

      Advanced Composite Materials

      巻: in press 号: 6 ページ: 1-23

    • DOI

      10.1080/09243046.2023.2167481

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 一般化座標SPH法への修正SPH法の組み込みと繊維強化複合材料の双片持ちはり解析への応用2023

    • 著者名/発表者名
      小野寺壮太,飯野和輝,矢代茂樹
    • 学会等名
      第48回複合材料シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Three-dimensional analytical model for predicting effective stiffness of composite laminates with ply cracking2023

    • 著者名/発表者名
      S. Onodera, S. Yashiro, T. Okabe
    • 学会等名
      23rd international conference on composite materials
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 一般化座標SPH法を用いた有孔CFRP積層板の引張時の損傷進展シミュレーション2022

    • 著者名/発表者名
      小野寺壮太,矢代茂樹,川越吉晃,岡部朋永
    • 学会等名
      第13回日本複合材料会議(JCCM-13)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 一般化座標粒子法を用いた繊維強化複合材料のはく離進展解析のための結合領域モデルの開発2022

    • 著者名/発表者名
      飯野和輝,小野寺壮太,矢代茂樹
    • 学会等名
      第47回複合材料シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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