研究課題/領域番号 |
22K14161
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
藤井 達也 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (10780489)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ポリイミド / カーボンナノチューブ / 複合材料 / 熱イミド化 / 積層造形 / PAA被覆CNT / 熱イミド化反応 / 微小材料試験 / 3D積層造形 / 耐熱複合材 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ポリイミド(PI)の前駆体であるポリアミック酸(PAA)をカーボンナノチューブ(CNT)に被覆したPAA被覆CNT粉末を用い、選択的レーザー照射技術と組み合わせることで、耐熱性と耐宇宙環境性に優れたPI/CNT複合材の新規3D積層造形プロセスを提案する。石英ガラス多孔体を用いて熱イミド化反応中のPAA被覆CNT粉末を加圧造形することで、PI粒子間の界面接着強度を向上し、高強度・完全ボイドフリーなPI/CNT複合造形体の製造を実現する。一連の挑戦的かつ独創的な実験技術により、宇宙用材料への適用に向けたPI/CNT複合材の新規3D積層造形プロセスを創出する。
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研究成果の概要 |
本研究では,粒子内部までCNTが均一分散したPAA被覆CNT粉末とレーザー照射による局所的熱イミド化反応を組み合わせることで,超高濃度かつ良分散状態のPI/CNT複合材の造形技術を提案した.複合材の熱影響域は,粉末充填量に依存せず,レーザー出力の増加により急激に拡大した.破壊強度は,粉末充填量ならびにレーザー出力の増加により向上した.FT-IR分析の結果,レーザー出力320mW以上においてイミド化率100%を示した.積層造形を試みた結果,照射回数によらず積層界面で剥離が見られた.熱イミド化反応による積層造形を行うためには,さらなる造形条件の検討が必要である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,高耐熱性と高耐宇宙環境性を両立する実用的なPI/CNT複合材の実現に向けて,PI/CNT複合材の低コスト3D積層造形プロセスの確立を目指した.この技術の問題はPIの成形性の低さと樹脂中へのCNTのナノスケール分散が困難なことにある.問題解決のため,粒子内部までCNTが均一分散したPAA被覆CNT粉末とレーザー照射による局所的熱イミド化反応を利用することで,超高濃度かつ良分散状態のPI/CNT複合材の単層造形に成功した.この成果は上記目標達成に貢献し,PI/CNT複合材の新たな造形技術になると期待できる.
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