研究課題/領域番号 |
22K14163
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
松前 貴司 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (10807431)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 微細加工 / ダイヤモンド / ニッケル / ナノインプリント / 微細金型 / エッチング / インプリント / 微細構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではダイヤモンドからなる次世代デバイス冷却構造のため「金属金型への固溶によるダイヤモンド高速微細加工」および「導電性ダイヤモンド層によるデバイス磁場の遮蔽」を実現する。ダイヤモンドは高温・高圧下にて金属に固溶することを利用し、ダイヤモンドへの微細金型の加圧加熱による流路加工を実現する。さらに絶縁性ダイヤモンドはデバイスからの交流磁場を遮蔽できないため、本研究では導電性ダイヤモンド層を用いた磁場遮蔽を実現する。これにより最高レベルの放熱効率・電気絶縁に加え、磁場遮蔽可能・低熱歪みである「究極のオールダイヤモンド放熱構造」が実現できる。
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研究成果の概要 |
ダイヤモンドの微細加工のため、Ni金型への固溶を用いたエッチング技術を開発した。本研究ではナノインプリント用のNi微細金型をダイヤモンド基板に高温プレスし、5~50マイクロメートル幅・2マイクロメートル深さのフィン構造が得られた。また冷却によりNi/ダイヤモンド間にグラファイト層が析出し、その後再加熱することでグラファイト層が剥離した。これによりNi金型を剥離し再使用できると期待できる。一方ボロン濃度2E16/cm3・厚さ1マイクロメートルの導電層を持つダイヤモンド基板を用いて50Hzの交流磁場の軽減を試みたが有意な磁場遮蔽効果は見られず、導電性や膜厚の向上が必要であると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ダイヤモンドは固体物質中最大の熱伝導率をはじめとして、電気・化学・機械的に特異な物性を持っている。そのため既存デバイスと複合化する高機能冷却構造や、パワー・量子・センシング・耐放射線など次世代デバイス応用が期待されている。これらデバイスの製造にはフィンなどの微細構造をダイヤモンド表面に加工する必要があるが、ダイヤモンドは非常に高い硬度をもち機械加工が困難で、また化学的にも安定でエッチングが難しい。今回Ni/ダイヤモンド間の高温での固溶現象が明らかになり、また簡易なダイヤモンドの微細加工が開発されたことで、ダイヤモンドを用いた冷却構造や次世代デバイスへの貢献が見込める。
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