研究課題/領域番号 |
22K14167
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18030:設計工学関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
遊佐 泰紀 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (70756395)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 孔 / 亀裂 / 応力拡大係数 / 点群 / レーザスキャナ / 亀裂進展 / パラメトリックスタディ / 重合メッシュ法 / 大変形弾塑性解析 / パラメトリック解析 / 並列計算 / 非線形有限要素法 / ライフサイクル |
研究開始時の研究の概要 |
構造物の設計時の有限要素法解析では、製造から破壊までのライフサイクル中のあらゆる力学的挙動を予測することが求められるが、非常に困難である。そこで、本研究では、設計の妥当性を振り返って検証するための解析手法を開発・確立する。まず、レーザスキャナによる計測点群データを用いた製造後の構造物の変形解析手法を確立する。これに基づき、変形の経年変化を考慮した解析手法を開発する。また、破壊後の亀裂形状を活用した亀裂進展解析手法を提案する。以上の解析では、情報の不完全な部分に対して多数のシナリオを想定し、パラメトリックスタディを行う。そのための並列パラメトリック解析システムの構築と高速化を実施する。
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研究実績の概要 |
令和 5 年度は主に、孔の位置の設計のための並列パラメトリック解析、レーザスキャナによる実測点群を用いた変形解析、弾塑性亀裂進展問題のパラメトリック解析の研究を実施した。おおむね順調に進展している。 孔の位置の設計のための並列パラメトリック解析の研究では、前年度に構築した解析手法・システムと数値実験の結果を論文にまとめ、雑誌論文として公表した。この論文は、Message Passing Interface(MPI)による並列化と重合メッシュ法による自動化に基づく並列パラメトリック解析アプローチを提案するものである。実際に、孔の位置による亀裂の応力拡大係数の変化を網羅的に解析できることを示した。また、並列計算のストロングスケーリングテストを実施し、高速化率と並列化効率がともに良好にスケールすることを示した。 レーザスキャナによる実測点群を用いた変形解析の研究では、前年度までに構築してきた計算手法が実測点群に適用可能であることを示した。提案手法は、レーザスキャナによる点群データを拘束条件として有限要素解析に入力するものである。前年度までは仮想的に作成した点群への適用に留まっていた。 弾塑性亀裂進展問題のパラメトリック解析の研究では、弾塑性体中の亀裂進展挙動の解析に対し、パラメトリック解析のアプローチが有効でありうることを示した。提案アプローチは、節点解放法の下で空間方向・時間方向に離散化された亀裂進展速度をパラメータと見なし、パラメトリック解析を行うものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和 5 年度は主に、孔の位置の設計のための並列パラメトリック解析、レーザスキャナによる実測点群を用いた変形解析、弾塑性亀裂進展問題のパラメトリック解析の研究を実施した。今年度は、並列パラメトリック解析の最初の雑誌論文を公表できた。レーザスキャナによる点群を用いた変形解析の研究は前年度同様順調に進展している。弾塑性亀裂進展問題のパラメトリック解析の研究は今年度に開始したものであるが、研究の立ち上げを完了できた。
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今後の研究の推進方策 |
レーザスキャナによる点群を用いた変形解析の研究については、雑誌論文の公表を目指す予定である。弾塑性亀裂進展問題のパラメトリック解析の研究については、数値的な調査と並列化を進める予定である。また、基盤となる並列パラメトリック解析手法・システムについては、並列計算の負荷分散やベイズ最適化の適用を検討していく予定である。
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