研究課題/領域番号 |
22K14173
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
粟飯原 あや 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 産総研特別研究員 (90912361)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 流体 / 数値流体解析 / 翼 / 失速 / 壁面モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では航空機主翼の失速を予測するために実用レベルの精度での空力解析を可能とする数値モデルを構築する。離着陸時の航空機の飛行性能は翼の最大揚力により決定されるが、その失速点付近において翼表面での流れは剥離を伴うため空力特性を高精度に予測することが課題となっている。そこで、特に計算コストを要する翼表面での流れを近似化することで失速翼の空力を高忠実に予測できる手法を提案することを目指す。これまで比較的低い迎角に対してモデルの検証は行われてきたが、剥離を有する失速付近の流れに関して堅牢なモデルは確立されていない。本研究ではスパコン「富岳」により解析を行い、失速特性を適切に表す近似モデルを考案する。
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研究実績の概要 |
本課題では、航空機主翼の失速を予測するために実用レベルの精度での空力解析を可能とする数値モデルを構築することを目的として研究を実施した。航空機の離着陸時の条件である失速点付近における翼表面での流れについて空力特性を高精度に予測することが課題となっているが、計算コストを特に要する翼表面での流れ場を近似化することにより失速翼の空力を予測する手法を提案する。 本年度は研究計画の第一段階目として、近似モデルに対する参照データを取得するために、壁面近傍の境界層流れを近似化なしに完全に解像した場合の解析を実施した。特に失速を伴う高迎角の翼まわりの流れ場解析では大規模な剥離渦を有するため大きな解析領域が必要となる。そこで高レイノルズ数における迎角18度のA-airfoil翼に対し、異なるスパン方向の解析領域サイズにより予測した翼まわりの流れについてその空力特性を比較した。検証したスパン長さは翼弦長の5%, 10%, 20%の3通りである。揚力に関して、翼弦長10%と20%のスパン長さの解析では近い値を示した一方、5%の場合では過大評価された。この条件において、流れは翼弦長の中央付近から剥離するため剥離せん断層の領域が大きく後流で大規模なスケールの渦が発生する。解析するスパン長さが剥離せん断層のスケールより大幅に小さいとそのような後流域での乱流構造を適切に再現できない。そのため5%の解析ケースでは剥離が抑制されることで翼まわりの循環に影響し、結果として揚力が過大評価されたと考えられる。
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