研究課題/領域番号 |
22K14181
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
渡辺 勢也 九州大学, 応用力学研究所, 助教 (80871540)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 洋上ウィンドファーム / 風車ウェイク / CFD / 格子ボルツマン法 / GPU / 洋上風力発電 / 数値流体力学 / 高性能計算 / アクチュエータモデル / 乱流境界層 |
研究開始時の研究の概要 |
洋上ウィンドファームの発電量予測には、各風車が形成するウェイクが後続の風車に与える影響を精度よく評価することが重要な課題である。本研究では、大規模CFDに適した格子ボルツマン法を用いることで、従来よりも高い格子解像度、かつ少ない計算リソースで洋上ウィンドファームを解析可能な高性能CFDツールの開発と発電量予測性能の向上を目的とする。風車ブレードを点群で表現するアクチュエータラインモデルを格子ボルツマン法に適用する。気象モデルと格子ボルツマン法をデータ同化により連携し、現実的な風況を再現する。風況を変えた様々な条件下の解析を実施し、開発ツールの有用性を示す。
|
研究成果の概要 |
洋上ウィンドファームの発電量評価には、各風車が形成するウェイクの相互干渉を正しく予測することが重要である。本研究では、格子ボルツマン法を利用した洋上ウィンドファーム流れの高性能CFDツールの開発を行った。アクチュエータライン風車モデルと大気境界層流入モデルを格子ボルツマン法を導入し、大規模な乱流シミュレーションを可能にした。先行研究の風洞実験との比較により、提案した計算手法は十分な精度でウェイクの速度分布や発電量を評価できることを確認した。複数GPUを用いた大規模並列計算により洋上ウィンドファームの解析を実施し、観測データの発電量とよく一致した予測結果を得られることを確認した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で実施した格子ボルツマン法による洋上ウィンドファームの非定常乱流シミュレーションは、ウィンドファームの発電量だけでなく、各風車に加わる疲労荷重の評価にも有効であり、風車の寿命やメンテナンス時期を予測することへ利用でき、洋上ウィンドファームの経済性評価に重要なデータを取得できる。格子ボルツマン法をレイノルズ数の高い大型風車のウェイク乱流に適用可能であることを本研究で示した。また、波による風車の動揺を考慮することで、日本での導入が期待される浮体式の洋上ウィンドファームの解析に対して開発したCFDツールは応用可能であると考える。
|