研究課題/領域番号 |
22K14182
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
鶴 若菜 佐賀大学, 海洋エネルギー研究所, 助教 (70823889)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | キャビテーション初生 / 均質媒体モデル / 深層学習 / キャビテーション / 初生 / 気泡核 / 境界層特性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,キャビテーション流れの簡便かつ高精度予測手法の確立を目的としている.境界層特性の異なる流れ場における気泡核挙動の観察,キャビテーション初生過程の気泡核と周囲の流れの数値計算を行う.また,得られた結果用いた深層学習によるキャビテーション形態,初生位置などの分類を行い,各特徴量を評価して重要因子の抽出を行う.抽出した因子を取り入れたキャビテーションモデルを構築し,均質媒体モデルに組み込む.
|
研究実績の概要 |
液体を用いる多くの流体機械において,キャビテーションは重大な問題となる.均質媒体モデルによるキャビテーション予測が広く行われているが,均質媒体モデルは,圧力が飽和蒸気圧以下であることのみが初生の条件であり,空間的な初生点を予測できない.また,キャビテーション初生は非常に複雑であるため,重要な因子や因子間の相互作用等,詳細は解明されていないため,重要因子の解明とキャビテーションモデルの高精度化が必要である.令和4年度は,キャビテーション初生に関する重要因子の抽出のため,流路形状の異なる流れ場でのキャビテーション初生位置と初生キャビテーション数を数値計算により調査した.流路形状は縮小拡大流路とした.異なる境界層特性の流れ場で調査を行うため,入口と出口高さおよび喉部高さを一定として,円弧形状の縮小・拡大部の曲率半径を変更して調査した.これにより,均質媒体モデルを用いた場合でも,剥離点や乱れ度により,キャビテーション初生時の圧力が異なることを明らかにした.加えて,剥離点が下流側であるほど,キャビテーション初生位置もやや下流側に位置することを明らかにした.しかし,初生点は剥離点より上流側に位置し,剥離点近傍から発生するとされるシート状のキャビテーションの初生位置からは乖離することを確認した.機械学習および深層学習によるキャビテーション初生の影響因子抽出のためのデータベース作成に着手し,解析コードの作成を行った.また,数値計算結果の検証とキャビテーション流れの観察のための実験装置製作に着手した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各年度の予算の都合上,令和4年度は数値計算を主に行うこととしたが,数値計算に必要な格子生成ソフトの納期が,開発元のシステム変更等により大幅に遅れたため,数値計算結果を用いたキャビテーション初生のデータベース作成に遅れが生じた.未納品の間は,機械学習および深層学習の解析コード作成と実験装置製作に着手した.また,実験の計測機器およびソフトの価格高騰により,その他機器の一部構成を変更し対応した.
|
今後の研究の推進方策 |
数値計算結果を用いたキャビテーション初生のデータベースを完成させる.そのため,令和4年度に行った数値計算に引き続き,①気泡核の数密度とサイズ分布の異なる条件での調査,②2流体モデルによる気泡核周囲の流れの調査を行う.また,実験装置を完成させ,③境界層特性の異なる流れ場の詳細な調査,④キャビテーション初生の観察,⑤気泡核および溶存酸素量の影響の調査,⑥数値計算結果の検証,および⑦実験結果を用いたキャビテーション初生のデータベース作成を行う.加えて,初生の影響因子抽出の解析コードにより,⑧各因子と初生位置および圧力との相関関係を調査する.
|