研究課題/領域番号 |
22K14185
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 長野工業高等専門学校 |
研究代表者 |
山田 大将 長野工業高等専門学校, 機械ロボティクス系, 准教授 (80825141)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 大気圧プラズマジェット / シュリーレン光学系 / 外部電場印加 / イメージインテンシファイアユニット |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,様々な分野で使用されている大気圧プラズマジェット(APPJ)とガス流の密接な関係に着目し,ダイナミクス理解を進めることによりAPPJ制御や活性種の効率的輸送を目指している.各種応用で重要となる活性種はガス流により輸送され,プラズマ中の荷電粒子はガス流の乱流化等を誘起し,プラズマの大きさにも影響を与える.この様にAPPJとガス流は相互に関わっているが,そのダイナミクスの理解は十分ではない.そこで,APPJに外部電場を印加し荷電粒子の動きを分かりやすくした状態で,シュリーレン観察や分光法等のプラズマ計測を駆使して,「何が・どのように」ガス流へ影響を与えているかを特定するための研究を行う.
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研究実績の概要 |
本研究は,様々な分野で使用されている大気圧プラズマジェット(APPJ)とガス流の密接な関係に着目し,ダイナミクス理解を進めることによりAPPJ制御や活性種の効率的輸送を目指す.希ガス等の作動ガス流への高電圧印加により生成されるAPPJが作り出す各種応用で重要な活性種はガス流により処理対象へと輸送される.また,プラズマ中の荷電粒子は,電場加速によりガス流を構成する中性粒子へと衝突し,ガス流へと作用する.この作用は,ガス流の乱流化等を誘起し,プラズマの大きさにも影響を与える.この様にAPPJとガス流は相互に関わっているが,そのダイナミクスの理解は十分ではない.そこで,APPJに外部電場を印加し荷電粒子の動きを分かりやすくした状態で,シュリーレン観察や高速度カメラ撮影,分光法等のプラズマ計測を駆使して,「何が・どのように」ガス流へ影響を与えているかを特定することが本研究の目的である. 2023年度は,前年度に調達が間に合わなかったイメージインテンシファイアユニットが納品されたため,先ずはこのユニットを既存の実験系に組み込む改造を行った.新しい実験系は,APPJのガス流と発光伝播を同時に計測することを目的としている.そのため,作成済みのシュリーレン光学系に,シュリーレン計測用の光源波長(~530 nm)以外の波長を反射するダイクロイックミラーを取り付け,プラズマからの発光はイメージインテンシファイアユニットを取り付けた高速度カメラに入射するようにセッティングした. 改造した実験系を用いて,Neを作動ガスとしたAPPJのガス流と発光を計測した.その際,プラズマ生成のための電極印加電圧波形は両極性/正極性/負極性の3種類を用いて実験を行った.その結果,ガス流挙動に加えてプラズマ発光も外部電場印加により変化することが明らかとなり,さらに条件によってその挙動が変わることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調達遅れで間に合っていなかったイメージインテンシファイアユニットが納品され,前年度に行う予定であった実験系の改造を当初の予定から遅れはしたが,年度の前半に行うことができた.その結果,当初予定していた実験データの計測や解析の大部分を2023年度中に行うことができた.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の研究で作成した実験系を用いて引き続きAPPJにおけるガス流と発光伝播の同時計測を行っていく予定である.昨年度の研究では,同時計測は実施できたが,イメージインテンシファイアユニットの調整不足により,ゲート時間を50 ns程度まで短くした短時間露光計測の実施はできなかった.そのため,プラズマの発光伝播の様子を適切な時空間分解能で観察できず,発光伝播経路やその速度に関しては十分に評価ができなかった.そこで,2024年度はこの設定を見直し,50 ns以下の短時間露光計測により,時空間分解計測を行い,発光伝播挙動を評価していく予定である.さらに,2022年度に実施し,プラズマ生成条件の相違や外部電場印加によって特性が変化することを既に確認している発光分光計測も同時に実施を検討している.これらにより,ガス流,発光伝播(ストリーマ挙動),発光特性(発光種やガス温度等)の同時計測を行い,APPJのガス流ダイナミクスの理解を進めていく.
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