研究課題/領域番号 |
22K14194
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
喜多 由拓 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 客員助教 (40840616)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 滴状凝縮 / 伝熱 / 可視化 / 感温塗料 |
研究開始時の研究の概要 |
滴状凝縮は,50年以上も前から高効率な熱輸送特性を持つ事が知られているが,一般性のある理論や整理式がなく,工学的に実現されていない.理由は,凝縮核生成→液滴成長・合体→離脱という滴状凝縮サイクルにおける局所かつ非定常の熱輸送現象がこれまで未知であったからである.本研究では感温塗料を用いた,安価かつ高空間・時間・温度分解能を両立した熱計測システムを開発し,滴状凝縮における局所非定常伝熱特性を実験的に明らかにする.将来的には,実験事実から滴状凝縮熱伝達の理論を完成させ,最適な滴状凝縮サイクルを実現する伝熱面の創成に繋げる.
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研究実績の概要 |
本研究では,高時空間・温度分解能を両立した熱計測システムを開発し、滴状凝縮における局所的な非定常伝熱特性を実験的に明らかにすることで、高熱伝達率を有する滴状凝縮の熱伝達メカニズムや膜状凝縮への遷移メカニズムを解明することを目的としている。 本年度は,研究の核となる熱計測システムを開発した。本システムは凝縮伝熱面の温度分布を取得することを目的とするが、凝縮面の裏側に冷却水を流す必要があるため、水を透過しない赤外線カメラを使うことはできない。そこで、本研究では感温塗料(Temperature Sensitive Paint; TSP)を採用した実験系を考案した。本年度はTSPの塗布条件を含めた基板構造の検討、実験装置の設計・製作ならびに温度・熱流束解析プログラムの開発を行った。実験装置の制約上、低熱流束域のみの実験に限られたが、滴状凝縮における液滴分布に対応する温度・熱流束分布の取得に成功した。現行の赤外線カメラ(~10 fps / ~10 μm)に相当する時空間分解能を達成した。 今後の課題としては、ノイズ低減、TSPの劣化による計測データへの影響の検討、高熱流束域における実験が挙げられる。ノイズに関しては、生の画像データ(光強度)を温度に変化した後に適当なノイズフィルターを適用することが考えられる。現状、低熱流束域の実験しかできていないが、高熱流束の実験ではノイズの影響はより小さくなると考えられる。TSPの劣化に関しては、劣化を最小限にするための実験条件の検討、ならびに励起光照射時間と劣化量の定量化を行う予定である。最後に高熱流束域の実験については、冷却水温度は現状限界まで低くしているため、蒸気温度を上げて実験を行うことを検討している。 研究実施者が知る限り、このレベルの解像度で凝縮における温度・熱流束分布を取得した実験例はなく、長年進歩が見られなかった凝縮伝熱分野において大きな学術的価値を有する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は研究の核となる熱計測システムを開発を目的としており、これはおおむね達成された。一般に凝縮伝熱計測には赤外線カメラを使うことはできないため、本研究では感温塗料(Temperature Sensitive Paint; TSP)を採用した実験系を考案した。本年度はTSPの塗布条件を含めた基板構造の検討、実験装置の設計・製作ならびに温度・熱流束解析プログラムの開発を行った。実験装置の制約上、低熱流束域のみの実験に限られたが、滴状凝縮における液滴分布に対応する温度・熱流束分布の取得に成功した。現行の赤外線カメラ(~10 fps / ~10 μm)に相当する時空間分解能を達成した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の課題としては、ノイズ低減、TSPの劣化による計測データへの影響の検討、高熱流束域における実験が挙げられる。ノイズに関しては、生の画像データ(光強度)を温度に変化した後に適当なノイズフィルターを適用することが考えられる。現状、低熱流束域の実験しかできていないが、高熱流束の実験ではノイズの影響はより小さくなると考えられる。TSPの劣化に関しては、劣化を最小限にするための実験条件の検討、ならびに励起光照射時間と劣化量の定量化を行う予定である。最後に高熱流束域の実験については、冷却水温度は現状限界まで低くしているため、蒸気温度を上げて実験を行うことを検討している。
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