研究課題/領域番号 |
22K14205
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
村松 久圭 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (20874465)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | モーションコントロール / 位置制御 / 力制御 / ヒューマンロボットインタラクション / 周期/非周期分離 / 協働ロボット / むだ時間 / 適応制御 |
研究開始時の研究の概要 |
人間と協働する産業用ロボットは大量生産のための繰り返し作業を精密にこなしつつ,人間との接触に対し柔軟な動作を行わなければならない.本研究は最適に周期らしい準周期状態と非周期らしい準非周期状態を出力・制御する適応周期/非周期分離フィルタと適応周期/非周期分離制御を構築する.これをロボットへ実装し,産業用協働ロボットの準周期状態での繰り返し作業高精度化と準非周期状態での接触安全性向上を実現する.
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研究実績の概要 |
本研究では,ロボットの周期らしい準周期状態と非周期らしい準非周期状態へ精密かつ安全な運動制御を実現することを目的としており,これまで,準周期状態と準非周期状態を定義する境界の周波数にあたる分離周波数の設計について明らかにした.具体的には,周期/非周期信号を準周期信号と準非周期信号に分離する周期/非周期分離関数の1次フィルタを実現し,その周期通過周波数特性と非周期通過周波数特性の遮断周波数が分離周波数によって設計可能であることを明らかにした.本年度は以下のような研究実績を得た.まず,より精密な準周期状態制御の実現に当たり,これまでに設計した1次周期/非周期分離フィルタを活用して準周期外乱補償制御を実現した.ここで,これまでの周期/非周期分離フィルタを用いることにより,周期外乱を構成する高調波のみならず,その周辺周波数に存在する外乱もまた補償することが可能となった.これにより,周期外乱の周波数変動にもロバストな周期外乱抑圧が期待される.一方で,ロボットと人間の安全な接触のため,人間の知覚特性を考慮したフィジカルヒューマンロボットインタラクション研究を進めた.ここで,人間の力知覚特性をモデル化し,人間の知覚バイアスが安定限界な離散事象インタラクションに安定な平衡点を生み出し,人間の知覚バイアスを模倣した制御器により人間とロボットの離散事象インタラクションが高速に収束することを証明し,被験者実験により有意に支持された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現在までの進捗として,予定していた準周期状態と準非周期状態を定義する境界の周波数にあたる分離周波数の設計について,1次周期/非周期分離フィルタの周期通過帯域・非周期通過帯域・遮断周波数とともに明らかにした.さらに,当初予定していなかった,1次周期/非周期分離フィルタを応用し,周期外乱の周波数変動にもロバストな周期外乱抑圧を実現した.そして,人間の知覚が内在するバイアスを考慮したフィジカルヒューマンロボットインタラクション制御を実現した.
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き,準周期性と準非周期性の定義を時変に拡張していく.そして新たな定義に基づき,周期/非周期信号を時変に変化する準周期信号と準非周期信号に分離する適応周期/非周期分離フィルタを設計する.その後,本フィルタによる適応周期/非周期分離制御の確立を目指す.
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