研究課題/領域番号 |
22K14216
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
池田 昌弘 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員 (40869517)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 脚ロボット / 生物模倣 / ソフトロボット / 体幹 / 脚歩行ロボット / フィジカルリザバコンピューティング / 受動胴体関節 |
研究開始時の研究の概要 |
四肢を持つ動物は多関節多自由度の胴体関節を活用することでダイナミックな運動を実現している.しかし多くのロボットの場合,胴体に関節は持たない.その理由として胴体関節を持つ身体の運動モデル及び身体特性は複雑であり,既存の手法では完全に特性を工学的に再現することは難しいためだと考えられる.そこで申請者は物理リザバコンピューティングを用いることで,複雑な身体構造を計算資源として活用する制御手法を提案する.これにより複雑な身体のモデル化を行うことなく,胴体関節を含む全身運動の制御が可能になると考える.
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研究実績の概要 |
現在研究の結果によって,1本の論文が採択され,公開を待っている状態である.論文はダチョウの首構造を模倣することによって,超冗長連続アームの制御に成功している.ダチョウの首は多数の脛骨によって構成されている.また研究目標であり,研究の主眼である体幹から伸びている連続体である.その首構造を模倣したアームの制御を可能にしたことは研究に置いて非常に有用な成果である.体幹と同じく連続冗長関節の制御が可能であることを指し示しているためである. しかしながら本研究の目的である運動における体幹の活用については未達成である.前述のアームの制御は,首構造単体での運動である.本研究の目的である四肢と体幹の運動の連成には至っていない. 現在,研究目的を達成する為に体幹構造を持つ四脚ロボットを作成した状態である.このロボットは体幹の揺動を行いながら歩行を行うことが可能である.また体幹の粘弾性パラメータや歩行パターンを自在に変更することが可能である.このロボットを用いることで,本研究の目標の一つである,胴体関節を含む全身の運動として歩行が可能になる.今後の予定として,このロボットを用いた歩行実験を実施していく. またコンピュータシミュレーションを用いた,運動設計を試行している.現在,胴体関節を持つ四脚ロボットのシミュレーションモデルを作成した.これを用いることにより身体パラメータを網羅的に探索することが容易になる.探索した結果から全身運動が可能な身体と歩行の組み合わせを考察することができる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ダチョウの首模倣のロボットの研究に予定以上の時間を割いてしまった.しかしその結果,原著論文の投稿に達することができた.この研究結果により脊椎のような連続多関節構造の制御手法について新たな発見をすることができた. また胴体付き四脚歩行ロボットの試作に予定以上の時間がかかってしまった.これは前述のダチョウの首模倣ロボットに時間的リソースを割いた結果である.しかし,四脚ロボットの完成が目前の状態である.現在,ハードウェアが完成し,制御システムの構築を行っている状態である. またコンピュータシミュレーションの研究環境を整えている.重要になるシミュレータのプログラムは完成している.シミュレーションを実行するためのコンピュータが現在ないため,入手の手配を行っている.コンピュータが手に入り次第,胴体関節の運動に関するシミュレータによる解析が可能になる. また現在,新たな論文を一本執筆中である.実機での検証とシミュレーションでの検証の二方向から,胴体関節付き四脚歩行ロボットの歩行中のエネルギフローについて解析を行った結果を示している.この論文は9割ほど執筆が完了しており,近日中にジャーナルへの投稿を行う予定である. また胴体関節の制御方法に関する論文を一本執筆中である.こちらの論文は脚に対する胴体関節の運動を制御するための方法論の提案であり,本課題の本質をとらえた論文である.この論文が執筆できた場合,課題の目的の大半を達成したと言えると考える.
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今後の研究の推進方策 |
試作した実機を元にエネルギーフローの解析を行う.それにより脚と胴体の関係を明らかにする.そのうえて脚に対する胴体関節の追従制御方法が提案している手法によって達成できることを示す.またそれと同じくコンピュータシミュレーションでエネルギーフローの解析と脚と胴体の関係を明らかにする.そのうえで胴体の制御則を実装する.実機とシミュレーションの両面から実施する理由としては,シミュレーションと実機の両方の特性を生かすためである.シミュレーションを用いることで実機では実現不可能な量の条件量を試行することができる.また対象とするロボットは関節や足先が地面と接触するため,シミュレーションでは多分にモデル誤差を含むことが想定される.そのため実機によって改めて提案手法が確からしいか確認する必要がある. 現在のところ実験を行う環境が順調に整ってきている状態である.次のステップとしては用意した実験環境を用いて,提案手法の検証を行っていくフェイズに入る.現在のとこと研究計画の変更を要する課題等は直面していない.またこれまでの研究の内容から本課題の提案手法が成り立つことが予想できる. 今後は当初の計画どうりに研究を遂行していく.
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