研究課題/領域番号 |
22K14219
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
早川 智洋 富山大学, 学術研究部工学系, 助教 (80910281)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | モジュラーロボット / 脚ロボット / 自律分散制御 / 自律分散システム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,これまでに申請者が独自に開発してきた脚型モジュラーロボットの不整地踏破および物体把持運搬タスクを対象とする.歩行運動を伴う両タスクにおいて,質量中心位置と支持多角形の幾何関係が歩行安定性を決定するという性質に着目することで結合体の形態と運動を適応するような自律分散制御則の構築を行う.さらに,自律結合機能を有する脚型モジュラーロボットを新たに開発し,構築した制御系の実験に用いることで,ロボットの自律的な形態と運動の適応を実証する.
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研究実績の概要 |
ロボット間で物理的に結合可能なモジュラーロボットは,ロボット間の結合方式を変更することで結合体の形態およびその機能を変更可能である.モジュラーロボットにおいて,各ロボットが自律分散的にタスクに応じて結合体の形態と運動を適応させることは重要な課題である.本研究では,これまでに申請者が独自に開発してきた脚型モジュラーロボットの不整地踏破および物体把持歩行タスクを対象とする.歩行運動を伴う両タスクにおいて,質量中心位置と支持多角形の幾何関係が歩行安定性を決定するという性質に着目することで結合体の形態と運動を適応するような自律分散制御則の構築を行う.令和5年度の研究成果は以下のとおりである. 1.多脚結合体が物体の安定把持と安定歩行を同時に達成するために,自律分散的な位相制御則を構築した.位相と脚用途の関係を対応させることで,各脚が把持と歩行を適応的に選択することができる.さらに,構築した位相制御則を用いることで,脚の故障に対して適応的に脚用途を把持と歩行の間で切り替えて,運動を適応させることができる.動力学シミュレーションによって,多脚結合体が健常時に各脚用途を適切に選択することで把持と歩行を同時に実現することを実証した.さらに,脚故障時において把持と歩行を同時に実現するように脚用途を適応的に切り替えることを実証した. 2.多脚結合体の形態と運動の適応を実証するために,自律結合可能な脚型モジュラーロボットの実機開発を進めた.ハードウェアの開発状況としては,脚部の開発を完了し,結合機構の挙動確認を行った.ソフトウェアの開発状況としては,動力学シミュレーション内で実機のセンサ系を搭載して,センサ情報に基づくモジュール間位置制御則を構築した.結果として,移動モジュールが静止モジュールの結合部に高い精度で移動可能であることを実証した.成果の一部は国際学会AROB-ISBC-SWARM 2024にて発表している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は不整地踏破タスクに対して形態を適応するような制御則を構築することができなかった. また,自律結合可能なモジュールの開発において,開発した結合機構が十分な位置ずれ補正性能および結合力を有していなかったため,結合機構の開発が遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
不整地踏破タスクについては,令和4年度に多様な不整地を踏破する上で有利な結合形態を明らかにすることができたため,今後は階段やランダムステップを対象として踏破に適した結合形態を実現するような自律分散制御則の構築に取り組む予定である. 物体把持歩行については,令和5年度に構築した自律分散的な位相制御則を実機に実装して,把持歩行の実証実験を行う. 自律結合可能なモジュール開発については,十分な位置ずれ補正性能および結合力を有するような結合機構の開発を行い,センサ系を搭載してモジュールの量産を行う.その後,モジュールを結合させ,多脚結合体として不整地踏破タスクと物体把持歩行タスクを達成するような実機実験を行う予定である.
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