研究課題/領域番号 |
22K14226
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
重宗 宏毅 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (40822466)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ソフトロボティクス / ソフトアクチュエータ / エレクトロウェッティング / ペーパーメカトロニクス / 折紙構造 / マルチマテリアルプリンタ / ソフトロボット / 折り紙デバイス / 印刷法 |
研究開始時の研究の概要 |
自律構造形成する折り紙デバイスInteractive Paper Wearを実現するためのマルチマテリアルプリンタを開発する。構造形成用インクと導電性インクを同時に印刷可能なマルチマテリアルプリンタは世界中で盛んに開発されている。我々は様々な特性を持つ液体を輸送可能なElectrowetting現象に着目し、軽量・コンパクトなマルチマテリアルプリンタシステムの開発を目指す。現場でプログラマブルに折り紙デバイスを作製できるプリンタを開発する。
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研究実績の概要 |
印刷直後に人の手を借りず自律的に完成するメカトロニクスデバイス”Interactive Paper Wear”の現場での作製を可能とする、ペーパーメカトロニクスの新たな作製プロセス・マルチマテリアルプリンタについての研究を行う。本研究の目的は、多種の液体特性を持つ溶液を精度よく印刷可能なコンパクトなマルチマテリアルプリンタの開発である。現在のシステムではデバイスを医療現場や農場などの現場にて作製するために、プリンタ(約3kg)を現地まで運ぶ必要がある。そこで、持ち運びが簡便なマルチマテリアルプリンタを開発することで、ペーパーメカトロニクスの持つ簡便かつ迅速なデバイス作製性をさらに強化し産業応用性を高める。具体的にはElectrowetting現象を利用し電気エネルギーによって毛細管力を促進し液体を印刷する。例えば、医療機関や農場にプリンタを持参し、現地で生体情報を取得可能なデバイスをオンデマンドにノータッチで作製するシステムの構築に繋がる。本研究では、Electrowettingを用いて駆動電圧や細管設計による駆動特性の変化を調査することによって、マルチマテリアルプリンタとしての実用性を明らかにする。プリンタが持つべき性能として、導電性インクと構造形成用インクを所望のパターンと量で紙面上に印刷できる必要がある。Electrowettingでは導電性・絶縁性のどちらの特性の液体も駆動することができるため、マルチマテリアルプリンタとの親和性が高い。今年度は実際にデバイスを開発し導電性液体と絶縁性液体の駆動に成功した。それぞれの液体特性(表面張力・粘度)に応じた細管設計を理解することで、素早く液体を駆動することに成功した。さらに、デバイス駆動用のコンパクトな高電圧制御回路を開発し、システム全体の縮小化を達成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究はおおむね順調に進展している。今年度はElectrowettingによる絶縁性液体の駆動に成功した。また、Electrowettingの高速駆動に必要なゼロベース矩形波電圧を出力可能な高電圧制御回路を開発した。液体の駆動については、先行研究の文献調査と駆動電圧・周波数や細管の設計を変化したことによる実験から理解が深まり、駆動の高速化に成功した。実験を重ねて液体の駆動特性の理解が深まり、駆動制御回路の設計も進んだことで、最終的なInteractive Paper Wear実現のためのマルチマテリアルプリンタの開発に向けて着実に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は絶縁性液体の駆動に成功したため、来年度は導電性液体の駆動に取り組む。Electrowettingでは導電性液体も絶縁性液体も同等に制御できる。導電性以外にも変化する液体特性(表面張力・粘度)を考慮に入れて液体の駆動に挑戦する。液体の駆動速度が高いほど面内方向への拡散が減少するため構造形成の精度が高まる。細管のアスペクト比・駆動電圧を調整し、液体にかかる摩擦力・駆動力を解析解から理解することで駆動速度を高め、より高い精度での構造形成・回路生成可能なマルチマテリアルプリンタの開発を目指して引き続き推進する。
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