研究課題/領域番号 |
22K14227
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
安藤 潤人 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (50899797)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 触覚センシング / 柔軟構造 / 触覚増強メカニズム / 走査型触覚センサ / ソフトロボット学 / 触覚学 / ハプティクス / ロボティクス / ソフトロボティクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,構造学の知見を応用した微小な触覚情報に敏感な人工皮膚構造の提案し,ヒトに匹敵する触覚センサの開発を目指す.ヒトは触覚受容器に合わせて構造特性が最適化されている.このことから,触覚センサではセンサ素子に合わせて構造を最適化する必要がある.最適化することによってヒトの触覚に匹敵する触覚センサの開発が可能であると考える.ヒトの皮膚の構造やすでに発見されている触覚増強現象を理論的にまたは実験的に評価し考察することで,センサ素子に合わせた構造の設計方法が理解できると考えている.本研究にて提案する人工皮膚構造はロボット皮膚やヒトの拡張技術に応用できる.
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研究実績の概要 |
微小な面ひずみに対して感度がよい走査型の面状触覚センサの開発を行っており、対象とする微小ひずみの信号を増強する柔軟構造体の開発を行っている.凹み面に対応する面ひずみの検出が困難であったが,昨年度の成果により、凹みの面ひずみに対して増強効果がある構造の面状に広がりがある構造体を作製した.しかし,この構造では凸に対応する面ひずみの感度が弱くなってしまうという課題が存在した. 凸面に対して増強効果がある柔軟構造体として,剣山型の柔軟構造体が存在する.この構造体は凸面に対しては表面形状に沿わせることが可能であるが,凹み面に対しては沿わせることが困難な構造体となっている.増強メカニズムの1つとして,表面形状に沿って変形する構造がある.これにしたがって,凹み面に沿って変形する柔軟構造体を作製したが,凸面に対しては感度が剣山型と比べて下がってしまった.新たな構造体も凸面にも沿わせて変形するが,結果として感度が下がってしまった.このことは,増強メカニズムには別の要因があり,その要因が新たな構造体には欠落していたと考える.そこで,従来提案されていた凸に対応した面ひずみの増強効果がある剣山型の柔軟構造体を使って,増強効果の要因を調査した. 剣山型では底面に対して,垂直にピンが立っていて,密集している構造になっている.このピンの密度やピンの大きさを変化させて,増強効果を調査したが,劇的な変化が見られなかった.しかし,研究を進める中で,センサ素子の位置,押さえ方によってセンサの感度が変動する現象が見られた.これは,適切なセンサ素子の位置と走査方法が存在することを示唆している.今後は感度が高くなるセンサ素子の位置,構造体を使った表面のなぞり方法について着目し,増強メカニズムの要因を調査する必要がある.今後はセンサの位置やなぞり方法の違いによって感度がどのように変化するのか数量的に評価する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では「微小な刺激に敏感な人工皮膚構造の開発」を目指している.微小な刺激として物体表面上の微小な凹凸を取り扱っている.従来提案されていた触覚増強メカニズムを有した構造では凹み面に対して感度が小さいという課題があった.そこで,凹み面に対応可能な構造体を開発したが,逆に凸面に対して感度が小さくなってしまった.凹凸の両者に対応する触覚増強メカニズムを有する構造体の開発を進めている.触覚増強の要因は未だに明確にされておらず,未解明な部分によって生じた問題である. 触覚増強メカニズムの解明を試みたが,具体的な要因を見つけることができていない.しかしながら,構造体のセンサ位置や構造体使ったなぞり方法に要因がある可能性が示唆された.今までは構造体の動きに着目していたが,それ以外にも目を向け,触覚増強メカニズムの要因特定を試みる.
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今後の研究の推進方策 |
今までは面ひずみの変化に対する柔構造体の動きに着目して,触覚増強メカニズムについて研究を行ってきた.しかしながら,構造だけでなく,柔軟構造で伝搬する触覚情報を効率良く受け取るセンサ素子の位置関係や走査方法が関係していることが示唆されている.今後はそれに注目し,増幅効果の定量的な評価を試みる.また,引き続き柔軟構造の変形の解析を行い,凹凸の両者に適応した触覚増強メカニズムを有する柔軟構造体の開発を行う.
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