| 研究課題/領域番号 |
22K14228
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| 研究種目 |
若手研究
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| 配分区分 | 基金 |
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| 審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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| 研究機関 | 福岡工業大学 |
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研究代表者 |
遠藤 文人 福岡工業大学, 工学部, 助教 (10909419)
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| 研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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| 配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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| キーワード | 磁気浮上 / 非接触把持 / 柔軟鋼板 |
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| 研究開始時の研究の概要 |
柔軟鋼板製造時の品質向上のため非接触に鋼板を支持する磁気浮上技術が提案されている。しかしながら、厚さが0.1 mm以下の剛性が低い柔軟鋼板では従来の磁気浮上システムを使用した場合、柔軟鋼板のたわみから振動が発生し、落下の原因となる。そのため、柔軟鋼板の磁気浮上では安定した浮上を実現できず、産業界での実用化には至っていない。本研究では従来の柔軟鋼板用磁気浮上システムと異なり、柔軟鋼板自身の自重をたわみの抑制へ活用した磁気浮上システムを提案し、安定した非接触把持を可能とする磁気浮上制御を明らかにする。
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| 研究実績の概要 |
本研究は、非常に薄く柔軟な鋼板を磁気浮上によって非接触に支持する際の安定性を飛躍的に向上させる方法として鋼板の板厚方向を水平方向として浮上させるマグレブシステムを実現するものである。当該年度は本研究で対象とするマグレブシステムの実現に向け、特に制御システムの構築と電磁石の製作ならびに特性評価を中心に検討を行った。浮上対象が薄い鋼板であり、その柔軟性から想定している挙動よりも浮上状態が複雑となることが想定されるため、安定した浮上を実現するためには制御システムの構築が重要な要素となる。また、吸引力を発生させる電磁石は浮上対象が薄鋼板ということから漏れ磁束が多く、より効率的な構成にしなければ発熱や制御性能の劣化に繋がることが懸念される。それらのことから、下記2点の内容について検討を実施した。
（１） 柔軟鋼板を把持することに重点を置き、柔軟性がある板においても安定した浮上を実現できる制御システムを構築した。まずはシミュレーションにより、限られた範囲内で充分な振動抑制制御を実現できるコントローラを設計した。その後、設計したコントローラを実機に適用し、実際に安定した浮上を実現できることを実験的に明らかにした。
（２） 薄いことで吸引力を生み出しにくい柔軟鋼板においても充分な吸引力を発揮できる電磁石の構成について解析的に明らかにした。特に電磁石を配置する方向や印加する定常電圧について網羅的に検討し、適切な電磁石構成について検討した。また、実機を製作し、薄板においても充分な吸引力ならびに応答性を発揮できることを確認した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
（１）振動モデルを考慮した制御理論の構築：最適制御則に基づいてコントローラを設計し、安定した浮上を継続できる制御システムを構築した。制御中における電磁石の発熱が起因する浮上安定性の劣化が見られたが、制御システムの構成を変更することで対処可能であることを明らかにした。具体的なコントローラのパラメータについては次年度に検討を予定している。
（２）電磁石の製作と特性の評価：これまでに実施した電磁石に対する解析結果を基に薄い鋼板においても充分な吸引力を発生させることができる電磁石を製作した。計画通りに支持力計測試験を実施し、充分な吸引力ならびに応答性を発揮できることを確認している。
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| 今後の研究の推進方策 |
（１） 柔軟鋼板による磁気浮上実験：これまでに構築した制御システムを用いて磁気浮上実験を実施し、柔軟鋼板の浮上に対して適切なコントローラの設計を行う。特に柔軟鋼板の板厚の変更や外乱の入力に対しても安定した制御を維持できるようなシステムの構築を目指す。
（２） 柔軟鋼板の厚さと振動特性に関する解析的検討：板厚の変化が浮上中の柔軟鋼板に発生する振動へ及ぼす影響を解析的に検討する。板厚による剛性の変化は抑制すべき振動周波数を変化させることが想定されるため、本解析の結果を（１）でのコントローラ設計へフィードバックしていくことを想定している。
（３） 板厚を変化させた磁気浮上実験：上記（１）、（２）の内容を踏まえ、実際の柔軟鋼板を使った磁気浮上実験を実施する。特に解析では見られない時間経過による浮上安定性への影響について検討し、コントローラ設計の指針を示すことを目指す。
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