研究課題/領域番号 |
22K14229
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 豊田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
神永 真帆 豊田工業高等専門学校, 機械工学科, 助教 (20879986)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 細胞マニピュレーション / 立体培養細胞 / マイクロ流路デバイス / 水圧アクチュエータ / 1分子観察 / BioMEMS |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,分子標的薬探索の精度向上のため,立体培養細胞の広範囲1分子観察を実現するマイクロ流路デバイスを開発する.観察範囲がスライドガラス近傍のみに限定されるエバネッセント光観察を用いて,立体培養細胞の全面を観察するためには,立体細胞を回転させる必要がある.そこで,力センシング機能を持つ水圧駆動アクチュエータで,細胞にダメージを与えずに,すり鉢状の流路にトラップした立体培養細胞を回転させる.角度を変更しながら複数の部位における蛍光画像を取得し,共焦点顕微鏡を用いて取得した画像と比較することで,細胞表面分子と候補分子の結合観察への有効性を確認する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,立体培養細胞の広範囲1分子観察を実現するマイクロ流路デバイスを開発することである.従来の1分子観察手法では,観察範囲がスライドガラス近傍のみに限定される.そこで,水圧駆動ソフトアクチュエータを使用し,マイクロ流路内にセンサを設置することなく観察位置とスライドガラスへの押し付け力を制御する.デバイス開発のため,水圧アクチュエータの設計,水圧アクチュエータの作製・評価,立体培養細胞の回転可能範囲・回転角度制御・力センシング能力の評価を行う.また,立体培養細胞の広範囲一分子観察性能の評価を行うことで,開発したデバイスの有効性を確認する. 立体培養細胞表面の広範囲一分子観察を実現するために,①水圧アクチュエータの設計,② 水圧アクチュエータの作製・評価,③立体培養細胞の回転可能範囲・回転角度制御・力センシング能力の評価,④立体培養細胞の広範囲一分子観察性能の評価を行う必要がある.当初,1年目には①から②に取り組む予定であったが,出産に伴う半年間の休業期間があったため,①のみに取り組んだ. ①水圧アクチュエータの設計 立体培養細胞の位置制御を行うための水圧アクチュエータを設計した.8個の水圧駆動アクチュエータを放射状に配置し,対向するアクチュエータを動作させることで,すり鉢状のポケットに配置した立体培養細胞を回転させることを目標とした.細胞へのダメージを防ぐため,細胞を底面に接触させる力を制御する.水圧駆動アクチュエータの内圧と体積の関係から外力を推定することで,マイクロ流路内にセンサを設置せずに力制御が可能となり,観察や細胞培養前の滅菌が容易となる.水圧アクチュエータの駆動に必要な圧力および細胞にダメージを与えない押し付け力を調査し,水圧アクチュエータの概要を決定した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度,半年間産育休を取得したため研究の進捗に遅れが生じた.立体培養細胞表面の広範囲一分子観察を実現するために,①水圧アクチュエータの設計,② 水圧アクチュエータの作製・評価,③立体培養細胞の回転可能範囲・回転角度制御・力センシング能力の評価,④立体培養細胞の広範囲一分子観察性能の評価を行う必要がある.当初,1年目には①から②に取り組む予定であったが,出産に伴う半年間の休業期間があったため,①のみに取り組んだ.約半年分の遅れであるため,今後の研究進捗状況によっては研究期間の延長も視野に入れている.
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今後の研究の推進方策 |
立体培養細胞表面の広範囲一分子観察を実現するために,①水圧アクチュエータの設計,② 水圧アクチュエータの作製・評価,③立体培養細胞の回転可能範囲・回転角度制御・力センシング能力の評価,④立体培養細胞の広範囲一分子観察性能の評価を行う必要がある.1年目に①を実施したため,2年目には②および③に取り組む. ②水圧アクチュエータの作製・評価 ①で設計した水圧アクチュエータを作製し,伸縮量の制御性能および力測定性能を評価する.水で満たしたシリンジのピストンをリニアアクチュエータで駆動し,ピストンにかかる圧力と移動量から水圧アクチュエータの圧力と体積を計算する.無負荷時と,先端に負荷を与えた場合の圧力-体積曲線を比較して負荷を推定し,力の測定可能範囲と分解能を評価する.また,アクチュエータ伸縮量と水の流入量の関係を調査し,動作範囲と分解能を評価する. ③立体培養細胞の回転可能範囲・回転角度制御・力センシング能力の評価 ②で作製したアクチュエータを組み込んだマイクロ流路を作製し,動作範囲および指定したポイントとの誤差,力センシング性能を評価する.すり鉢状のポケットに予め共焦点顕微鏡で形状を確認した立体培養細胞を設置し,デジタルマイクロスコープで取得した画像から角度を測定する.さらに,②と同様の方法で力の測定範囲と分解能を評価する.
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