研究課題/領域番号 |
22K14243
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
井上 良太 岡山大学, 自然科学学域, 助教 (80881127)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 高温超電導コイル / 非接触給電システム / 交流損失 / コイル保護 / 保護 / 共振 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,CO2削減と安全性確保の観点から,急速充電が可能な大容量非接触給電システムが求められている。しかし,銅コイルを用いた既存の非接触給電システムでは,電気抵抗による発熱が大きな問題あった。そこで,本研究では,低損失な高温超電導(HTS)コイルを用いた大容量非接触給電システムの検討を行っている。一方で,大電流通電時にはHTSコイル内部の温度が局所的に上昇し,コイルが焼損する可能性がある。そこで,本課題では,自己保護機能を有するHTSコイル構造を提案し,HTSコイル内部の温度が局所的に上昇した場合においても,コイルが焼損せず安全に継続運転できる大容量非接触給電システムの基盤技術の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
近年,CO2削減と安全性確保の観点から,急速充電が可能な大容量非接触給電システムが求められている。しかし,銅コイルを用いた既存の非接触給電システムでは,電気抵抗による発熱が大きな問題であった。そこで本研究では,低損失な高温超電導(HTS)コイルを用いた大容量非接触給電システムの検討を行っている。その一方で,これまでの研究成果から,大電流通電時にはHTSコイル内部の温度が局所的に上昇し,コイルが焼損する可能性があることがわかってきた。この問題を解決し,本システムを実現させるためには,「交流用HTSコイルの保護方法」を確立させる必要がある。そこで本課題では,自己保護機能を有するHTSコイル構造を提案し,HTSコイル内部の温度が局所的に上昇した場合においても,コイルが焼損せず安全に継続運転できる大容量非接触給電システムの基盤技術の確立を目指している。本年度においては,HTSコイルの保護技術確立に向けた基礎研究として,意図的に切り込みを入れた短尺のHTS線材を複数本作製し,HTS線材の局所的な劣化(局所的な臨界電流の低下)がkHz帯における交流損失に及ぼす影響について検討した。その結果,局所的な劣化を施したHTS線材の交流通電損失は,切り込みの深さと共に増加し,切り込みを入れた箇所に近い電圧タップほど損失の検出感度が高いことがわかった。さらに,局所的な劣化を施したHTS線材において,臨界電流値以上の電流を通電した場合には,臨界電流値以上の通電電流がHTS線材の超電導層から銅層へ流れ出すため,超電導層のヒステリシス損に比べて銅層の銅損が支配的になることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目標であった,高温超電導線材の局所的な劣化(局所的な臨界電流の低下)がkHz帯における交流損失に及ぼす影響について明確にすることができた。以上の結果は,次年度に提案する予定の自己保護機能を有するHTSコイルの等価回路解析に必要なHTS線材の基礎特性である。また,本年度の研究成果は,国内学会において報告している。以上より,本年度の進展はおおむね順調であったと評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,自己保護機能を有するHTSコイル構造を提案し,コイル内部の電流分布解析を行うことで,共振用キャパシタがコイルの自己保護性能および継続運転へ与える影響について検討する。以上の結果を踏まえて,共振用キャパシタの選定方法を確立し,提案コイルの有効性について検討する予定である。
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