研究課題/領域番号 |
22K14247
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
佐々木 秀徳 法政大学, 理工学部, 講師 (70909176)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | トポロジー最適化 / 深層学習 / XAI / 回転機 / 埋込型永久磁石同期モータ / 機械学習 / 自動設計 / モータ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、モータの画期的な磁気構造を獲得するため、設計指針を最適化過程に応じて自動的に策定する対話型トポロジー最適化を実現する。新規的かつ合理的なモータ構造を取得することを目指すため、深層学習手法で抽出された特徴量をトポロジー最適化の指針決定に用いる。本手法により、多数の特性を同時に考慮可能なトポロジー最適化を実現し、永久磁石型同期モータやリラクタンスモータの性能の向上を達成する。
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研究実績の概要 |
電気自動車等に用いられる埋込永久磁石同期モータは永久磁石の配置やコアの形状がモータ特性に大きく影響することから,設計に多くの工程を要する.そこで,より最適な新規構造を効率的に取得することを目的としたシミュレーションベースの最適化手法が注目されている.特にトポロジー最適化は材料分布を自由度高く考慮可能である.しかしながら,トポロジー最適化の探索空間が膨大であることから,同時に考慮可能な特性数が限られる.そこで,本研究では深層学習モデルを用いて最適化アルゴリズムに設計指針を与えることで,効率よく多数の特性に対して従来の構造を凌駕する新規的な断面構造を生み出すことを目的としている. 本研究では,まず説明根拠を可視化する深層学習モデルを用いて,モータの特性と特性が寄与する領域を可視化する手法を開発する.さらに考慮する特性を増やし,それぞれの特性に対する寄与領域の可視化を行う.さらに,本手法をトポロジー最適化に適用し,高効率な探索手法を開発する.本最適化手法により,多数の特性を考慮可能な最適化を実現する. 本年度は埋込型永久磁石同期モータの平均トルクとトルク振幅に関する寄与領域の可視化を行った.また,深層学習モデルの高精度化のため,二次元断面における磁束密度分布やギャップ磁束密度分布を入力とした平均トルクおよびトルク振幅の推定手法を提案した.さらに,複数の特性を同時に考慮するため,複数の出力を有する深層学習モデルの構築手法を確立した.これらの手法をトポロジー最適化に適用した. これらの研究成果は令和5年電気学会全国大会,令和4年産業応用部門大会,国際会議IGTE2022,学術論文誌IEEE AccessおよびIEEE Transactions on Magneticsにて発表を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は深層学習モデルの出力根拠可視化手法に着目し,モータのトルク性能に関する寄与領域の可視化手法について検討を行った.その結果,本手法により特性に対応した領域を可視化可能であることがわかった.また,可視化に用いる深層学習推定モデルの推定精度向上のため,有限要素法から得られた磁束密度分布を入力することにより,精度向上が見込めることを示した.複数特性に対する同時可視化やトルク特性以外のモータ特性については現在検証中であるが,次年度以降に実施予定であったトポロジー最適化への説明性適用を先に実施し,これらの結果を国際会議Compumag2023において発表予定である.以上の内容から,おおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
深層学習モデルの入力を1極分の断面構造モデルの場合,極中心に対して線対称なモデルにも関わらず,推定への寄与領域は対称ではなく,片方のみの情報を用いた推定をしていることが明らかになった.トポロジー最適化に適用する際に課題となることから,1極の半分の領域のみを入力として可視化を行うことを試みる.
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