研究課題/領域番号 |
22K14250
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 一関工業高等専門学校 |
研究代表者 |
川合 勇輔 一関工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (10891830)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 逆駆動性 / モーションコントロール / ヒューマンインタラクション / 力制御 / トルク制御 |
研究開始時の研究の概要 |
人手作業の代替に産業用ロボットを中心とした協働ロボットが導入されてきているが未だ人間のような柔軟性を備えたロボットの実現には至っていない。これは人間が持つ柔軟性(脱力や筋力による力加減)の実現が未達であることにある。人間支援ロボットの普及拡大はSGDsが掲げる重要なテーマである。本研究では、人間が持つ柔軟性を獲得するために、理論的に逆駆動性を解析し、人間支援に最適な逆駆動トルク制御と可変剛性制御に基づいて人間のような脱力と力加減を実現する。制御技術に基づいて能動的に上記目的を達成することで、人間と共存し得る高安定な人間支援ロボットを開発し、普及に貢献する。
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研究実績の概要 |
人手作業の代替に産業用ロボットを中心とした協働ロボットが導入されてきているが未だ人間のような柔軟性を備えたロボットの実現には至っていない。これは人間が持つ柔軟性(脱力や筋力による力加減)の実現が未達であることにある。特に一般的な産業用ロボットでは減速機を有するアクチュエータが使用されるため、逆駆動性の低下が問題となる。また、比較的剛体であるためバネのような柔軟性が低い問題がある。そこで、本研究では人間が持つ柔軟性を獲得するために、理論的に逆駆動性を解析し、人間支援に最適な逆駆動トルク制御と可変剛性制御に基づいて人間のような脱力と力加減を実現することを目的とする。 初年度は、最適逆駆動トルク制御の実現のために、一般的な産業用ロボットの関節モデルである二慣性共振系に対して軸ねじれトルク制御と単慣性化補償器に基づいたバックフォワードドライバビリティ制御を構成し、二慣性共振系モデルの単慣性化状態におけるバックフォワードドライバビリティ制御の検証を行い、任意のバックフォワードドライバビリティ(逆順駆動性)が実現可能なことを実証した。 さらに多リンクへの拡張に向けて、負荷側加速度制御によって逆駆動性だけでなく、順駆動性においても慣性値を制御可能とした。これにより脱力に関連する逆駆動性に加えて順駆動性においても制御可能とした。 また、筋力による力加減として、二剛性共振系モデルに基づく二剛性型の状態オブザーバについてシミュレーションによる検証を実施し状態量の推定が可能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
人間の脱力と筋力力加減の内、脱力については軸ねじれトルク制御と単慣性化補償器に基づいたバックフォワードドライバビリティ制御を構成し、単慣性化状態における逆駆動性制御の検証を行い、任意の逆駆動性が実現可能なことを実証した。 さらに多リンクへの拡張に向けて、負荷側加速度制御によって逆駆動性だけでなく、順駆動性においても慣性値を制御可能とした。筋力による力加減として、二剛性共振系モデルに基づく二剛性型の状態オブザーバについてシミュレーションによる検証を実施した。 一方で、多リンクマニピュレータへの拡張へ向けて軸トルクセンサ付きのサーボモータを購入したが、コロナ下と半導体不足の影響によって納品が大幅に遅れたため、機構部品の設計・構築に支障が出た。以上より、概ね順調に進行しているとしている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の方策としては、脱力に関連する逆駆動性制御方式について改善の余地があるため、引き続き検討を進める。そして筋力の力加減を実現するための可変剛性制御の理論検証および実機検証に取り掛かる。近年の半導体不足などの要因から多リンク拡張へのシステム構築に影響する可能性が予想されるが、2リンクマニピュレータへ向けた機構部設計と制御システムの組み上げ検証の実施を計画している。
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