研究課題/領域番号 |
22K14261
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
GUAN ChaiEu 長崎大学, 工学研究科, 助教 (10824584)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | サブ6G / 円偏波アンテナの広帯域化 / 偏波ダイバーシティ / 円偏波アンテナ / 広帯域特性 / サブ6GHz / 平面型アンテナ |
研究開始時の研究の概要 |
次世代移動通信の持続可能な開発目標を前提として5Gの通信速度の高速化に関する研究は既に始まっている.5Gの通信速度の高速化を実現するためには,アンテナの広帯域化が必須である.広帯域に右旋円偏波と左旋円偏波の切り替え機能をアンテナに持たせることにより,超多接続が要求される5Gの更なる通信の安定化,利便性の向上が可能である.本研究課題では,5Gサブ6GHz帯(6GHz以下の帯域)に対応した広帯域な偏波切り替えが可能な平面型円偏波用アンテナの開発を目的としている.本研究の成果は次世代6Gの分散型アンテナシステムを支える基盤技術と成り,今後の通信分野の発展に大きく貢献するものである.
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研究実績の概要 |
本研究はサブ6 GHz帯(3.7 GHz /4.5 GHz帯)で広帯域な偏波切り替えを可能にする平面型円偏波用アンテナの開発を目的としている.従来のクロスダイポールアンテナ(crossed dipole antenna, 以下CDPAと記す)では、90度位相差をつけるために2点給電式を採用し、移相器や円偏波変換器などが必要になる。本研究は、二つのDPAの間に波長が4分の1のリング線路を装荷し、1点給電式のCDPAを考案した。2023年には、広帯域なCDPAの設計が完成し、実験を通じてその特性を実証した。この研究成果は、国際学会などで発表した(ISAP 2023, 2023年度電気・情報関係学会九州支部連合大会)。 また、CDPAには、2つのPIN(Positive-Intrinsic-Negative)ダイオードからなる偏波切換回路を挿入した。PINダイオードを介して、x軸・y軸に放射しているダイポールアンテナを交互に給電し、電界Eyに流れる電流の向きを180度反転させる。偏波切換回路を装荷した後、CDPAが円偏波の旋回方向の変更が可能であることを実験によって実証した。この研究成果は、アメリカで開催されたIEEE国際学会で発表した(IEEE International Symposium on Antennas and Propagation and USNC-URSI Radio Science Meeting)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
提案したCDPAには、円偏波の旋回方向の変更が可能であることを実験で確認した。次に、インピーダンス整合回路をCDPAと偏波切換回路間に装荷し、CDPAの軸比の周波数帯域幅を約1GHzに拡張する。この設計手法とアンテナの実験評価結果は、国際学術論文で公表する予定。
上記のように本研究進捗の状況はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
偏波切換回路には、PINダイオードなどの非線形素子を含んでおり、アンテナの入力インピーダンスが50Ωになるようにインピーダンス整合回路を導入している。 シミュレーション、試作、測定を繰り返すことにより、円偏波の軸比帯域幅における測定結果とシミュレーションの相対誤差を縮小することを目指す。
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