研究課題/領域番号 |
22K14265
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
武内 裕香 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90758765)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 磁場配向 / 反磁性微結晶 / 痛風 / 尿酸ナトリウム結晶 / 反磁性 / 痛風診断 |
研究開始時の研究の概要 |
激痛をともなう痛風のリスクを確実に見出すために,簡便で痛みのない検査手法が強く求められている。痛風を引き起こす尿酸ナトリウム結晶は『磁場で配向する際に光強度が変化する』性質をもつ。本研究では尿酸ナトリウム結晶を含む体内環境を再現したモデルを作製し,近赤外光で検出する実験システムを構築したうえで,永久磁石レベルの磁場強度で微量結晶を体外から高感度で非侵襲・簡便に検出することを目指す。
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研究実績の概要 |
これまでの研究では,十分に広い空間において結晶の配向挙動を観測してきたが,実際に結晶が存在する範囲は指などの関節中であり,微小な領域である。一般に「磁場配向」が起こると,磁力線と物質の磁化容易軸が平行に揃うが,三次元的に物質を固定することは静磁場では困難である。検出における感度は結晶の初期位置と配向後の光強度の変化によるため,局所空間において配向後の挙動に変化があるならば,すなわち検出感度の向上または低下につながる。昨年度は切削加工により作製した薄層セルである。2枚の板間の間隔を任意にコントロールできる薄層セルを開発し顕微観察・光学計測を行えるようなシステムの開発を行った。5 cmの空間にステンレス(非磁性,耐腐食性)で薄層試料セルと試料導入部分作成し,膜厚は任意の厚みのテフロンシートをはさむことでコントロールできるようにした。今年度はさらに特別な超長作動型の対物レンズを取り付けできるように,顕微鏡のポートを改造した。システムは,光強度変化と動画収録を同時にできるようになっている。電磁石中で微小な領域での結晶挙動の顕微観察・光学計測を同時に行うことで,客観的理解と視覚的理解が迅速に行えるシステムにした。そのシステムを用いて,膜厚を変化させて,磁場印加前後の光強度変化(磁場効果)を計測したところ,膜厚が薄くなるにつれ,変化率も減少した。厚さがわずか50 umの空間内においても5 %の光強度の変化を確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度構築したシステムを改良し,さらに詳細な計測を行えるようにした。膜厚を変化させて,磁場印加前後の光強度変化(磁場効果)の結果の値から,例えば空間が10 umの時の外挿値を求めると,おおよそ2 %となり,このあたりが診断の限界点であることが示唆された。以上より,おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
空間をさらに狭めていき,実験的に限界値を評価する。その後,研究成果をまとめ,学会や論文投稿を通して国内外に発信する。
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