研究課題/領域番号 |
22K14275
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
舩田 陸 東京工業大学, 工学院, 助教 (50844247)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 制御工学 / 協調制御 / 環境モニタリング / ロボティックセンサネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
本課題では,計測すべき異常や重要領域の出現・変化といった状況に適応しながらロボット群を協働させることで,未知環境の効率的なモニタリングを達成する.このために,ロボット群が取得した情報をもとに,機械学習によって環境状況の把握をする上位機構を構築する.その後,探索・重要領域への移動・対象の捕捉といったタスクから状況に適したタスクを各ロボットへ配分し,効率的なモニタリングを実現する.この際,各タスクは統一的な表現で体系化し,システムの簡略化も達成する.最後に,提案手法をシミュレータや実験システムにより検証する.
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研究実績の概要 |
本研究では,計測すべき異常や重要領域の出現・変化といった状況に適応しながらロボット群を協働させることで,未知環境の効率的なモニタリングを達成することを目的としている.この実現に向けた課題の一つとして,状況に応じて切り替える探索・重要領域への移動・対象捕捉といったタスクを,各ロボットが解く実時間最適化問題の制約式として統一的に表現することを挙げている.この課題達成に向けて,本年度はロボットが重要領域といった目的地へ到達するための経路追従や障害物回避,環境モニタリングといったタスクを制約式として表現した上で有効性検証をした. まず,目的地へ到達するための経路や計測戦略を計画した上で,その経路に追従してロボットを移動させるという制御・計測要求を,制御バリア関数として書き表し実時間最適化問題に組み込んだ.本提案手法は国際会議にて発表予定であり,経路計画部分に関しても国際学術誌論文に採択されている.また,経路といった情報がない場合でも,ロボットが環境中に存在する障害物を回避しつつ,所望のタスクを達成する手法を複数提案した.一つの手法は国際学術誌論文へ採録され,もう一件も現在投稿の準備を進めている. つぎに,複数台のドローンを用いて,監視対象を見落としなくモニタリングするというタスクも制御バリア関数を使って制約として表現した.本提案手法は,国際学術誌雑誌へ投稿済みである.また,捕捉すべきモニタリング対象が障害物の間を動き回るときに,対象を視覚センサの視野内に収め続けるという手法も考察した.本手法も,国際会議にて採択されている.また,本研究で扱うロボットの一つであるマルチコプターを用いた実験システムも構築した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度は,環境モニタリングで必要となる探索,重要領域への移動,対象の捕捉といった制御則を制約式として統一的に表現することができた.これら成果は国際学術論文雑誌・国際会議論文に複数採択されている.また,関連した内容を今後も投稿予定であることから,当初の計画以上の成果が得られているといえる. また,実験検証についても,対象とするロボットの一つであるマルチコプターを用いた実験システムを複数構築できており,計画以上の進展と評価している. 本研究ではこれまでに制約条件として表現したタスクを,環境状況の変化に応じて切り替え,ロボットごとに配分することも課題に挙げている.この課題に関しても,いくつかの手法を試して有望な候補を絞れており,概ね計画通りに進んでいると評価している. 以上の進捗を鑑みて,全体として当初の計画以上に進展していると評価する.
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今後の研究の推進方策 |
まず,今までに提案した制約式によるタスク表現を改善する.特に,本研究で想定しているロボットごとの分散計算が達成できるかを考察する.また,シミュレーションや実験を通じて,より詳細な性能の評価をする. つぎに,現時点で候補となっているタスク配分方法や環境学習手法を,これまでに得られているタスク表現と組み合わせることで,目的としたタスク切り替えや配分の実現を目指す.この際,学習した結果得られる環境状況の予想だけではなく,そのモデルに含まれる不確かさといった情報によっても,ロボット群の挙動を変えることを考える. 同時に,実験環境についても,引き続きマルチコプターを用いた実験システムを構築していく.また,視覚センサを搭載した機体や地上走行ロボットを用いたシステムへの拡張も目指す.
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