研究課題/領域番号 |
22K14276
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
|
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
定本 知徳 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (40839966)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | データ駆動制御 / システム同定 / 制御理論 / データ駆動型システム設計論 |
研究開始時の研究の概要 |
データ×AIを核として経済発展と社会的課題解決の両立を目指すデータ駆動型社会の実現に向けた取り組みが進んでいます.しかし,こうした取り組みの多くは大量のデータが入手できることを前提としており,データ量の追求に偏るデータ資本主義的なシステム設計論は格差・分断社会を誘発しかねません.本研究では,「データ量」と「達成すべき仕様」を天秤にかけられる新しいシステム設計論の構築を目指します.
|
研究実績の概要 |
データから対象システムを①同定するまたは②制御する際,どのようなデータがどのくらい必要であるかを明らかにすることは本質的に重要である.この視点に立ち,以下の2つの成果を得た. データから対象の動特性を把握する手法はシステム同定と呼ばれ,様々な研究が行われてきた.しかし,それらの殆どはデータが十分に与えられていることを前提としており,不足時にどの程度の精度で同定できるかは十分に明らかにされていなかった.この問題に対して,対象システムの可到達性・可観測性に応じた新しい同定誤差解析を与えた.これは,VARXモデルとよばれるシステム同定でよく用いられるシステム表現形式が伝達関数のような入出力特性を表現しつつも状態空間モデルのように代数演算と相性がよいことに着目し,モデル低次元化と呼ばれる隣接領域の解析手法も併用することで導出に成功した. データから直接的に制御器設計を行う手法は直接法と総称される.一方,データに基づく制御器設計には,システム同定ののちに従来のモデルベース制御器設計法を適用する間接法と総称されるアプローチも存在する.本研究では,実応用上きわめて重要な動的出力FB制御器設計において,前者と後者がある意味で等しいことを明らかにした.この鍵は先に導入したVARX Modelを用いた新しいシステム表現とそれに基づく数学的ツール(VARX Frameworkと総称)の開発にある.さらに,その等価性ゆえに,ある種の双対性がみられることも確認した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本質的な問題の一つである誤差解析についてひとつの解が得られたため.
|
今後の研究の推進方策 |
データ駆動制御において,データ量が不十分な領域での制御性能の限界を明らかにしたうえでその領域での具体的な設計論へと昇華することを目指す.
|